小林可夢偉が、8位入賞を果たしたF1ベルギーGPの週末を振り返った。「スパ・フランコルシャンは高速コースだし、中速コーナーも多くて、クルマにも合っている。僕自身もこういうコースは普通なら速いので、楽しみでした」とスパ・フランコルシャンの印象を語る小林可夢偉。「もし 晴れで走れたらすごく気持ちいいコースなんですけど、雨だと前のクルマの水しぶきで本当に前が見えなくなっちゃうんです。だからできるだけ予選で前に行け ればと思っていたんですけどね(苦笑)」
予選は、ドライでスタートするが、ヴィタリー・ペトロフのスピンで赤旗中断になっているうちにサーキットには雨が降りだした。「予選の第1セッションが始まるときに、『雨が降るから早く出させて』と無線でお願いしたんですけど、10台以上前にいる状況でコースインすることになったんですが、とにかくみんなタイムを出そうと、最終コーナーとかぐちゃぐちゃに走ってましたよ」「その後、赤旗を挟んでもう一回ドライタイヤで出て行ったときには雨がけっこう降っていて、ターン8から先はほとんどが濡れてました。僕の目の前でクルマがスピンしていたんで、避けようと思ってグラベルに出たんですけど、あの時は戻って来れたし、大きな問題ではなかったですね」最後のアタックでドライタイヤに履き替えた小林可夢偉だが、アウトラップでグラベルに飛び出しアタックのチャンスを逸し、19番手でQ1で姿を消した。「ただ、ドライタイヤは溝がないし、路面が濡れ出すとすごい滑るんです。だから淺溝のインターミディエイトに履き替えてコースに出たんですけど、アウトラップでエンジニアからタイヤをどうする?って聞いてきたんですね。チームがわざわざ聞いてくるから、その時みんなスリックでバンバンとタイムを出しているんだと思って僕もスリックに替えたんです」「絶対コースから飛び出さないようにと思ってかなり慎重だったんですけれども、アウトラップで飛び出してしまったのは僕の失敗です。安全パイであのままインターで行っていればよかったかなとも思います」「グラベルからマーシャルに押して貰ってコースに戻れたんですけど、じつはコースに戻るときにクレーンとか機械を使わなかったから、本当はあのままもう1周走れたんですね。そうすれば時間的にも間に合っていたかもしれないですけど、チームにピットに入れと言われたから入りました。「フリー走行3回目のドライだったときにいい感触だったし、実際にQ3の通過タイムをみたら、今回は絶対Q3行ける予定やったんですけどね。ほんま散々な予選でしたけど、決勝に向けてはとにかく落ち着いてレースをして、最後まで生き残ったらいい結果が着いてくると気持ちを切り替えました」数名のドライバーにペナルティが科せられたことで、決勝レースを17番手からスタートした小林可夢偉。オプションタイヤでのスタート直後にタイヤがスローパンクチャーしたことで、ほぼレース全体をプライムタイヤで走り切る戦略にスイッチした。「レースが始まってすぐに雨が来ることが分かっていたのでオプションのソフトタイヤでスタートをして何台か抜いたんですけど、リヤタイヤがスローパンクチャーして、タイヤを交換するために早めにピットインしました。ただあの時はセーフティーカーが出ていたので助けられました」「その後はひとりで走っているときはペースもよく、あっという間にメルセデスに追いついたんですけど、自分のラインで走れないからタイヤが痛んできたのでタイヤを温存する走りに変えました。アロンソは防ぎましたけど、けっこうタイヤが厳しかったですね」6番手を狙えるポジションにいた可夢偉だが、レース終盤の雨でメルセデスGP勢へのアドバンテージを失い、最終的に8位でフィニッシュした。「レースは最後までドライだったら、メルセデスの2台はピットインしなければいけなかったんで、僕も自動的に前に行けたんですけど、結局最後に雨が降ってそれがチャラになったので、それはちょっと残念ですが、僕もチームもミスをせずにレースを終えることができました。まあ、ポイントも獲れたし、昨日のミスを取り戻せました」「今回、単独でのペースもよかったし、鈴鹿に向けてはいい手応えを感じてます。次のモンツァとシンガポールはコースのレイアウトが違うので、若干僕たちのクルマには厳しいと思うんですが、ポイントを獲ることを目指します」
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