小林可夢偉が、6位入賞を果たしたF1イギリスGPを振り返った。12番グリッドからスタートした小林可夢偉だが、オープニングラップで9番手にポジションアップ。ピットストップでミハエル・シューマッハの前に出た可夢偉は、その後もノーミスでレースを進め、2戦連続となるポイントフィニッシュを果たした。「シルバーストンは楽しみにしていたコースのひとつなんです」とシルバーストンでのレースを可夢偉は振り返る。
「とくにターン2からターン6までの高速S字とその先のストレートの後に右コーナーまでの流れが好きなんです。S字はひとつ目を失敗したらふたつ目も3つ目もダメになってしまうし、ここを全部まとめてストレートでどれだけ稼ぐかという組み立てが難しくて、だから面白いんですね。低速コーナーだとクルマを無理矢理曲げることは結構できるんですけど、高速コーナーでは難しい。走行ラインもすごく狭いので、ここはリズムがすごく大切なんです」「今年から新しいレイアウトの部分ができましたけど、金曜日に初めて走ってみると、舗装が違うせいか路面がタイヤを掴んでくれない感じで全然グリップが違ったので、とにかくラバーが乗るのを待つしかないかなと感じました。ただ状況はみんな同じだと思うので、ここでのタイムはあまり気にしませんでした「「クルマとしては高速ではダウンフォースが出ているので、逆にこれまでと変わっていない高速コーナーをできるだけ早く脱出してトップスピードをカバーできるようにセットアップを進めました」予選ではチームメイトのペドロ・デ・ラ・ロサに上回られた可夢偉だが、その差は些細なことだったと語る。「金曜から土曜日にかけてクルマの重量配分も変えたんですけど、いい方向に行ったと思います。ただ予選では、走行ラインが思った以上に狭いクルマになったのが予想外でしたね。思ったほど路面がよくならなかったことが一番かもしれません。チームメイトと比べても、僕が知らなかったシルバーストン特有の走り方といったちょっとした些細なことで負けただけなので、自分の経験としてはこれでいいかなと思います」スタートで9番手までポジションをあげた可夢偉は、ピットストップ後のミハエル・シューマッハとのポジション争いが頑張りどころだったと語る。「前回のバレンシアではレース中に履かないといけないふたつのタイヤの差が極端にあったのですが、今回はそれほど差がなかったので決勝レースはソフトタイヤでスタートしました。スタートはうまく切れたし、1周目に9番手までポジションを上げられたのがよかったです」「タイヤはまだタイムが出せる状態でしたけど、前にあわせてピットインしました。コースに戻るとき、後ろからシューマッハが来ているのはわかっていたので、ここが頑張りどころと思って、ブレーキングの位置を変えたりしてブロックしたんですけど、結構うまくいったと思います」「そのあとはバリチェロについていく感じで、本来ならもう少し速いペースで走れたと思うけれど、抜きどころもなかったので仕方ないです。終盤、後ろに直線が速いクルマが迫ってきたときは、わざとペースを上げたり落としたりして、なんとかスリップに入られないように防いでいました」2戦連続でポイントフィニッシュを果たした可夢偉は、これからの課題は予選だと語る。「6位入賞は素直にうれしいです。ただ、やはり予選でもっといいグリッドが獲れるように頑張らないといけないと思っています」今回の入賞で小林可夢偉は、ドライバーズランキングで12位まで順位をあげた。ザウバーもコンストラクターズランキングでトロ・ロッソを抜き8位に浮上。ザウバーのポイントはすべて可夢偉が獲得したものだ。
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