小林可夢偉は、13位で終えたF1シンガポールGPの週末を振りつつ、目前に迫ったF1日本GPへの意気込みを語った。シンガポールGPにむけてアップデートを投入したザウバーだが、金曜日からパフォーマンスに苦戦する。「今回は少し新しいパーツを入れたので、金曜日のフリー走行1回目はかなり忙しかったです」と小林可夢偉は振り返る。
「ただ、クルマのパフォーマンスが足りず、残念ながら最後までその状況は変わりませんでした」「フリー走行2回目から週末に向けたセットアップを進めたのですが、とにかくオーバーステアがひどくて、ロングランも1発もまったくダメで、金曜日に自信を持って乗れるクルマに出来なかった。金曜の夜中にデータを見ても、ブレーキング時でダウンフォースが抜けているのが分かったので、土曜日に向けてなんとか対策を試みたんですが、土曜日のフリー走行の走りはじめは金曜日よりもひどい状態で、正直エンジニアも僕もはまってました。結局セットアップをホッケンハイムの仕様にすることになって、それでも効果がなかったです」ホッケンハイム仕様のセットアップで予選に挑んだ小林可夢偉だったが、Q1敗退を喫し、18番手で予選を終える。「結局、予選はそのままの仕様で走ったんですが、攻めるどころかなんとかコースにクルマを留めておくのが精一杯で、悔しいですけど本当にうまくいっても17番、16番くらいだった」迎えた決勝。17番グリッドからのスタートとなった小林可夢偉だが、クルマの症状は変わらず、終盤にはニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)との接触でフロントウイングを失うアクシデントもあり、13位でレースをフィニッシュする。「決勝レースでは、新品のタイヤが残っていたので、なんとかやりくりできればと思っていましたが、燃料が重くても軽くてもクルマの症状は変わらず、ブレーキングで常に4輪ドリフト状態でした。クルマが決まっていれば何時間走っても楽しいんでしょうけど、長いレースでした。まあ、最後の花火がきれいだったぐらいですかね。汗が目に入ってくるのをこらえながらですけどしっかり見ました」「本当はここで日本GPに向けての勢いをつけたかったんですけど、今回はクルマが遅すぎました。ただ、苦戦したなかでも、週末を通していろいろなセッティングを試したし、それをデータとしてもきちんと活用できるのがポジティブな面ですね。僕たちのクルマは低速コーナーを改善できれば、本当に強くなりますから」「次の鈴鹿サーキットはスピード領域が違うから大丈夫です。残りのレースを考えると一番クルマにあうサーキットが鈴鹿なので僕自身楽しみにしています。今年は本当に速いですよ。去年の日本GPはいいレースができなかったので、今年はファンのみなさんに本当にいいレースを見せたいと思っています。まずは予選から上位を狙っていきます。今シーズン、本当にとことん不運が続いていますけど、鈴鹿でいい結果が出せたら、すべてこのための苦労だったんだと思えるし、溜まったフラストレーションを晴らしたいと思います」「いよいよ日本GPです。みなさま応援よろしくお願いいたします」