小林可夢偉が、9位入賞を果たしたF1カナダGPの週末を振り返った。週末へのアプローチについて、小林可夢偉は「カナダGPの週末は、金曜日と土日の路面温度が20℃近く変わるということで、路面温度が低い金曜日のフリー走行でどれだけ暑い状況を想定したクルマ作りができるかというのが大事でした」と振り返る。
「走りはじめの時点から、クルマのバランスは悪くなくて、ただタイム差が少ないから、なんとかあと一歩いければいい戦いができるという手応えはありました」予選ではQ2で敗退した小林可夢偉だが、レースには手応えを感じていたと語る。「予選のQ2はトップのベッテルから11番手の僕までコンマ5秒以内という接戦で、1000分の8秒差でQ3を逃したけれども、タイム差を考えたら路面の変化にもうまく対応できていたと思います。とにかくチームも予想していた以上にカナダで戦えるという手応えを持っていました」決勝では、小林可夢偉は2ストップ戦略を選択。11番グリッドからスーパーソフトタイヤでスタートする。「決勝レースの戦略は当日の朝に決まって、僕は新品のスーパーソフトタイヤでスタートする2ストップでした。もし1ストップだったら絶対プライムスタートという意志は伝えていたんですけどね。とにかく事前のシミュレーションでは2ストップの方が速いということもあって、僕は2ストップで確実にポイントを目指すという戦略でした」「スタート自体はよくて、バトンの前に出られそうでしたが、1コーナーのずいぶんと手前でミハエルがブレーキングしたのでそこで詰まってしまいました」だが、レース中盤、チームは1ストップ戦略に変更するという決断をする。「24周目にスーパーソフトからソフトに履き変えた後に、チームから1ストップの方が速いから、戦略を変えてチェッカーまで目指すことになって、結局46周もプライムで走ることになりました。タイヤの状態がいいときはペースもよかったんですけど、結構最後のほうはズルズルで大変でした」「ピットストップのあと、ディレスタとミハエルの間にはまるポジションでコースに戻ったんですけど、こっちはDRSを使ってるのにフォースインディアのクルマが直線の立ち上がりから車速の伸びが全然速くて、スリップにもつけませんでした。戦略やレース展開を考えると9位というのは僕としては最大限の結果だったと思います。チームメイトのチェコも3位に入り、チームとしてたくさんポイントを獲れたのでいい週末になったと思います」「今回、正直カナダでここまで戦えるというのは僕もサプライズだったし、暑いコンディションでもクルマが速いということは収穫でした。それにスタートもずいぶんと良くなった一方、戦略の面では、時にはリスク覚悟の戦略を獲ることが大事だと感じました」「次のバレンシアはもっと暑いなかでのレースになると思います。ほんの少しクルマが速くなるだけで、ずいぶんと世界が変わるしもっと沢山ポイントを獲れるように頑張ります」