小林可夢偉が、2011年F1開幕戦オーストラリアGPへ向けて、そして日本への想いを改めて語った。「開幕前、最後のバルセロナテストの後、一度日本に戻っていました。ブログにも書きましたが、僕が経験した16年前の震災以上の地震と大きな津波が起き、大勢の方々が被災されてしまい、とても胸が痛んでいます」と小林可夢偉はコメント。
「とにかく日本に着いたその夜から、僕としてできることを準備しつつ、普段の生活でも節水や節電を心がけていました。今はもうオーストラリアに向かっていますが、開幕戦からすべてのレースでしっかりと戦い、少しでも被災地の皆様を勇気づけることができたらと思っています」ザウバーで2シーズン目を迎える小林可夢偉は、今年が勝負の年だと語る。「フル参戦2年目の今年は、僕自身にとっても勝負の年だと位置づけています。だからこの冬のテストはかなり自分自身にプレッシャーをかけていました」ザウバーの2011年F1マシン「C30」には手ごたえを感じていると小林可夢偉は語る。「テスト序盤はクルマのトラブルもあったり、すべて順調だったかというと、そうではなかった部分もあります。でも結果的には、テストの内容もクルマのパフォーマンスも悪くはないという手応えを得ています」「バルセロナテストの最終日には、予選と決勝を想定したレースシミュレーションを走ってみました。実は僕がテストでレースシミュレーションを走るのは今回が初めてだったんです。最後は駆動系にトラブルが出てレース距離に届きませんでしたが、いろいろ分かったし、なにより新品タイヤでのペースが悪くなかったのは収穫でした」「このバルセロナでは、開幕戦用に準備されている新しいクルマのパッケージもテストしましたが、2月に走らせていたテスト仕様に比べるとダウンフォースを感じられたし、新しいパーツの効果もあります。あとはクルマのバランスをしっかりとあわせられれば、問題はないと思っています」今年、最も多くの変化としてタイヤサプライヤーがピレリに変わったことがある。「ピレリタイヤはとにかくよく滑るタイヤなんで、グリップを感じづらいのは確かです。タイヤカスも多く出るので、予選や決勝では走行ラインを外してタイヤカスに乗ってしまわないように気をつけないといけないですね」「実際のレースは、冬のテストよりもっと路面温度が高いなか走ることが多いのですが、3月に予定されていたバーレーンテストがキャンセルされたので、タイヤが高い路面温度にどう反応するのかはまだ分からないところもあります。ただ、それはどのチームも同じ条件ですから、僕たちだけのハンデというわけではないです。今年はとにかくタイヤをきちんとグリップさせて、滑らさないのが大事ですね」「では実際なところ、自分たちがどれくらいのポジションにいるのかというのは、例年以上に見えづらい状況でもあります。僕たちは空タンのパフォーマンスランはそこまでやってませんし、テストでトップタイムを出そうと思えばいくらでも出せますからね。だからすごく未知数な部分が多いので、開幕戦は波乱が多いレースになりそうです。ピットストップの回数は間違いなく増えるでしょうね」「いよいよ2011シーズンが始まりますが、とにかく僕は日本の皆様への思いを込めて、自分自身とクルマのパフォーマンスを最大限引き出して毎戦入賞を目指して走ります」小林可夢偉 インタビュー:2011年シーズンに向けて関連:F1-Gate.com YouTubeチャンネル