小林可夢偉が、ザウバーで迎える2年目のシーズンへの意気込み、そして新車C30の印象を語った。「チームを牽引していく立場であることは充分感じていますし、僕自身次にステップアップするためにも乗り越えなければならない課題で、とても大切な年だと位置づけています」と小林可夢偉は2年目の決意を語った。
ザウバーは、1月31日にC30の発表会を開催。当日初めてC30をみた小林可夢偉の印象は「フェラーリみたい」だっという。「新車C30は組み上がった状態を発表会の当日初めて見たんですけど、第一印象はけっこうフェラーリみたいやなあという感じですね」「発表会の後、プロモーション用の撮影をするために新車にいろいろカメラをつけてコースを走りました。なんか、新車って作っているときに出る粉がいっぱい溜まっているみたいで、コースに出て行って風が入った瞬間、その粉が全部ヘルメットに入ってきて、目にいっぱい粉が入って目をパチパチしながら運転してました(笑)」「まあその時はシェイクダウンとも違うフィルミングデイなんで、全然アクセルを踏んでないし、撮影用にシステムを動かしてみたりするだけでしたけど、あんな経験初めてでしたね」小林可夢偉は、翌日からC30によるテストを開始。しかし、初テストはトラブルにより予定していた周回数をこなすことができなかった。「次の日から始まった合同テストでは、初日のテストを担当しました。本当は昼休みの20分だけクルマを降りることができるという、これまたすごい走行プログラムが組んであって、トータル150周走る予定だったんですけど、ちょっとトラブルがでてそこまでは走れませんでした」「走りはじめ、ゆっくりとクルマの様子を見ながらと思っていたんですけど、まずクルマのデータを送受信するシステムにトラブルがでてデータが取れないことが分かった」「今年のクルマはKERSとかいろいろ積んでいるから、最初にリスクを背負ってもしょうがないから、まずはそのトラブルがきちんと直るまでバタバタしてました。データを取りたいのにデータが取れない状態だったのは、残念ですけどしょうがないですね。午後もフロアにちょっと問題が起きて交換をしました。その後は順調でしたけど、セッティングはほとんどしてないです」2011年は、ダブルディフューザーの禁止、ピレリタイヤへの変更など、マシンの挙動に大きく重要するレギュレーション変更が行われいてる。「正直、去年のクルマと比べるのは難しいですね。今年の方がディフュザーも制限されているしダウンフォースが少ないからタイヤがグリップしてないというのも分かりますが、何を基準にしたらいいか難しいので。いま思うと、去年のクルマはたしかに跳ねてたかなとは思いますけど、去年と比較するよりは、これからどれだけこのクルマをよくするのかが大切です」また、2011年のF1マシンは、KERS、可変リアウイングを搭載するため、走行中にドライバーが操作するボタンは増える。なかでも可変リアウイングの効果は大きいと小林可夢偉は語る。「今年はドライバーも忙しいですよ。KERSが復活したし、リヤウイングも動かさないといけない。これらの操作が結構難しいうえ、使うのが大変なんです。でも、うまく使えればアドバンテージになるので、できるだけ早い段階でものにしたいですね」「リヤウイングの方がKERSよりも効果が大きいと思いますけど、動かすとコーン、コーン、って音が聞こえるんですよ。感覚としてはスピードが伸びるというより、クルマがフっと軽くなる感じですね。ただまあKERSもあるし操作がややこしい。使うタイミングもあるし、コクピットの中はかなり忙しいです」「今回のテストではトラブルがありましたが、最初のテストはタイムを気にするものでもないし、こういったトラブルを洗い出すことが重要なので、僕はトラブルが出てくれてよかったと思います。次のヘレステストからクルマのセットアップと開発をきちんとできればなと思います」小林可夢偉の次の走行はヘレステスト3日目の2月12日の予定となっている。
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