日本人女性として史上初のスーパーフォーミュラ参戦を果たした野田樹潤が、ジャガーTCSレーシングからフォーミュラEの「ウィメンズ・テスト」に参加することが発表された。同テストは2025/26年ABB FIAフォーミュラE世界選手権のプレシーズンプログラムの一環として行われるもので、女性ドライバーの発掘と育成を目的に実施されている。
野田樹潤は、同チームから参加するもう一人のドライバーであるイギリス人ジェイミー・チャドウィックとともに、10月31日にスペイン・バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで走行する予定だ。両者は世界トップクラスの女性ドライバーとして注目を集めている。野田樹潤、日本人女性初のスーパーフォーミュラ参戦者としてフォーミュラEに挑戦2006年東京生まれの野田樹潤は、3歳でカートを始め、9歳になる頃にはすでに日本のサーキットでシングルシーターのテストを行っていた。2019年のルーカス・オイル・ウィンターシリーズで競技デビューを果たし、2020年のF4デンマーク選手権では初戦で優勝、年間6位に入るなど早くも才能を発揮。その後、Wシリーズやユーロフォーミュラ・オープンを経て、2024年にはTGMグランプリからスーパーフォーミュラに参戦し、日本人女性として史上初めて最高峰シングルシーターカテゴリーで走行した。「フォーミュラEのウィメンズ・テストでジャガーTCSレーシングに参加できるのを本当に楽しみにしています」と野田樹潤は語る。「GEN3 Evoマシンを走らせるのは初めてなので、この新しい環境で多くを学びながら、自分の力を試したいと思います。モータースポーツにおける女性支援の取り組みに加われることを光栄に思います」。ジェイミー・チャドウィック、経験豊富な英国人ドライバーとして再登場野田樹潤とともにジャガーTCSレーシングから参加するのは、イギリス人ドライバーのジェイミー・チャドウィックだ。チャドウィックは2024/25シーズンにマドリードでの初開催ウィメンズ・テスト、ジェッダでのルーキーフリー走行、ベルリンでのルーキーテストを経験しており、チームとの関係は2020年のマラケシュ・ルーキーテストから続いている。2017年にBRDCブリティッシュF3でシングルシーターデビューを果たしたジェイミー・チャドウィックは、その後Wシリーズで無敗の3連覇を達成。2022年にはアンドレッティ・オートスポーツに加入し、インディNXTで女性ドライバーとして14年ぶりの勝利を挙げた。さらに2024年にはル・マン24時間レースにも初出場し、LMP2クラスで複数の勝利を記録している。「バレンシアでのウィメンズ・テストで再びジャガーTCSレーシングに戻れるのは本当にうれしい」とジェイミー・チャドウィックは語る。「昨シーズンI-TYPE 7を走らせているので、その経験を活かしてさらに成長していきたい。フォーミュラEで走ることは特別な挑戦であり、その一員として再びチャンスを得られたことに感謝している」。ジャガー代表イアン・ジェームズ「2人の才能を誇りに思う」「野田樹潤とジェイミー・チャドウィックをチームに迎えられることをうれしく思う」とジャガーTCSレーシングのチーム代表イアン・ジェームズは述べた。「このプログラムは、女性ドライバーに実質的な機会を与える重要な役割を果たしており、2人とも卓越したスキルと経験、そして強い意志をチームにもたらしてくれる」。女性テストは10月31日にバレンシアで開催フォーミュラEは今週、プレシーズンテストの日程を正式発表。ウィメンズ・テストは10月31日にバレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで行われ、昨年の倍となる走行時間が確保される。各チームは10月27日から30日にかけて、シーズン12仕様マシンを初めて一斉にシェイクダウンし、12月6日にサンパウロで開幕する2025/26シーズンに備える。