アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)は、2026年F1日本GPのフリー走行1回目終盤にセルジオ・ペレス(キャデラック)と接触したものの、FIAスチュワードは最終的に追加処分を科さない判断を下した。鈴鹿サーキットの最終シケインで発生したこの接触では、アルボンのマシンがペレス車の側面に当たり、アルボンはスピン。ペレスのマシンは右側フロアを大きく損傷したが、審議では双方の誤解とチーム側の連絡不足が重なった結果と結論づけられた。
コメントの聞き取りとスチュワード文書によると、ペレスはレースラン中の周回を終え、次の周回に入ろうとしていた段階だった。14コーナーを立ち上がった時点では、後方のアルボンをある程度距離のある位置に確認していたという。一方のアルボンはアウトラップ中だったが、15コーナーから16コーナー進入にかけて急速にペレスとの差を詰めた。そして16コーナーでイン側からオーバーテイクを試みた際、両者は接触することになった。スチュワードが重視した“誤解”と無線連絡不足ペレスは、アルボンの存在を視認できなかったと説明した。バーチャルミラーが機能しておらず、さらにチームからアルボン接近の警告も受けていなかったという。この点はチームラジオでも確認された。チーム側は、アルボンがそのまま後方で位置を維持すると考えており、実際にはどれほど急速に差が縮まっていたかを把握できていなかった。そのため、ペレスに警告を出さなかったと説明している。これに対してアルボンは、16コーナー進入でペレスがワイドなラインを取ったことから、自分を先に行かせる意図があると受け取っていたと述べた。双方に決定的な過失なしスチュワードは、両ドライバーとも接近速度の大きさに驚いていたと整理したうえで、今回の接触は誤解によって生じたものだと判断した。その背景には、11号車のドライバーに対するチームの連絡不足もあったとしている。また、両ドライバーともに、どちらか一方が全面的、あるいは主として責任を負う事案ではないと受け止めていた。こうした事情を踏まえ、スチュワードはこの件について「これ以上の措置は取らない」と結論づけた。ペレスにとってはマシンにダメージが残る痛い一件となり、アルボンにとってもセッション終盤の走行を乱される形となったが、FIAは競技罰則を伴うケースではないと判断した。誤解と情報共有不足が引き起こした接触として、日本GP金曜走行のひとつの焦点となった。
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