FIAは2026年F1日本GPに向け、鈴鹿サーキットにおけるアクティブエアロの運用エリアを拡大する決定を下した。これまで主にメインストレートに限られていた“ストレートモード”の使用が、スプーンカーブ立ち上がりから130Rへ向かう区間にも追加される。2026年シーズンから導入されたアクティブエアロは、従来のDRSとは異なりフロントウイングとリアウイングの両方を可変させるシステムだ。ストレートでは空気抵抗を減らして最高速を高め、コーナーではダウンフォースを確保するという使い分けが可能となっている。
130Rへ続く高速区間に新たな駆け引き今回追加されたのは、スプーンカーブから130Rへと続く鈴鹿屈指の高速セクションだ。この区間で可変空力を使用できるのは近年では異例であり、2012年以来の大きな変化となる。130RはF1屈指の高速コーナーとして知られ、過去には大きなクラッシュも発生してきた。コース幅が狭くランオフエリアも限られるため、安全性の観点からも慎重な判断が求められる場所だ。その中での今回の決定は、競技面と安全面のバランスを踏まえた新たな試みと言える。2026年マシン特性が判断を後押し今回の変更の背景には、2026年型マシンの特性変化がある。ダウンフォースの減少とエネルギーマネジメントの影響により、鈴鹿のS字や130Rといった高速コーナーでも従来より通過速度が抑えられると見られている。アルピーヌのレーシングディレクターであるデイブ・グリーンウッドは、S字では低いギアでの走行が増え、スプーンではより長くグリップに制約されると説明する。また130Rでもチームごとに通過速度の差が生まれる可能性があり、タイヤへの横方向の負荷とエネルギー消費のバランスが重要になると指摘している。さらに、ヘアピンやスプーン立ち上がりでは従来より加速が鋭くなる一方で、最終シケイン手前ではエネルギー回収を行う場面も増えると見られており、ラップ全体のエネルギー配分がより重要になる。戦略とドライビングが勝負を分ける日本GP鈴鹿はF1カレンダーで唯一の8の字レイアウトを持つサーキットで、オーバーテイクが難しいコースとして知られている。その中でストレートモードの運用区間が拡大されたことで、単なる最高速だけでなく“どこで使うか”という戦略性が一段と重要になる。特にスプーン立ち上がりから130Rにかけては、アクティブエアロとエネルギーの使い方次第でラップタイムに大きな差が生まれる可能性がある。今回のFIAの決定は、日本GPに新たな駆け引きをもたらすことになりそうだ。
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