第108回インディアナポリス500の決勝が行われ、ジョセフ・ニューガーデン(ペンスキー)がラストラップの対決でパト・オワード(マクラーレン)を退け、昨年に続きインディ500を制覇。佐藤琢磨は14位で終えた。4時間の雨天中断にもかかわらず、雲は消え、インディアナポリス・モーター・スピードウェイに集まった30万人以上が激しいバトルを見守った。
おなじみの顔ぶれとしては、元F1ドライバーのロマン・グロージャン、佐藤琢磨、マーカス・エリクソン、アレクサンダー・ロッシがいる。IMSでまだ優勝していないのはグロージャンのみで、他の3人は全員優勝しており、佐藤琢磨は2回優勝している。出場車は33台。3番手からスタートしたニューガーデンは、ラストラップでアロー・マクラーレンのオワードをアウトから抜き去り、0.3417秒差で優勝。2001年と2002年にチーム・ペンスキーに在籍したエリオ・カストロネベス以来の連続優勝となった。最終ラップの第1ターンでトップを奪い、終盤の何度かの追い上げを抑えたオワードは、2位でレースを終えた後、ヘルメットを手に座ることしかできなかった。2008年のインディ500優勝者であるチップ・ガナッシ・レーシングのスコット・ディクソンは、20位から順位を上げて3位でフィニッシュし、アロー・マクラーレンのアレクサンダー・ロッシが4位、インディカー・シリーズで2度チャンピオンに輝いたアレックス・パロウが5位となった。200周のレースでは16人のリーダーが登場し、ポールポジションのスコット・マクラフリンがレース最多の66周でリードし、6位でフィニッシュした。残り24周でニューガーデンがディクソンをとらえ、ニューガーデンがロッシとオワードの前に出て集団の先頭に立ったことで火が付いた。ディクソンは残り13周、ターン1に進入したところでオワードに抜かれ、ニューガーデンとロッシに続く3番手に。残り10周でニューガーデンがトップをキープし、ロッシ、オワード、ディクソン、カイル・カークウッドのトップ5となった。オワードは残り7周のターン1でロッシをパスして2番手に上がると、残り5周でニューガーデンを捕らえるも、ニューガーデンが反撃して再びトップに立った。オワードはニューガーデンに追いつかれながらも何度も後退し、2位で白旗を迎えた。ターン4の立ち上がりでニューガーデンのアウト側に出たオワードは、ターン1でトップに浮上。ニューガーデンはターン2の立ち上がりで力強い走りを見せ、2台はホイールトゥホイールのままターン3でアウトからパスして優勝を飾った。消耗戦が激しいレースで、トム・ブロンクヴィストはオープニングラップで多重クラッシュを引き起こし、2022年のインディ500優勝者マーカス・エリクソンとピエトロ・フィッティパルディを巻き込んだ。13位から2位への有望な追い上げにもかかわらず、コルトン・ハータの6度目のインディ500挑戦は、88周目のターン1でクラッシュし、突然終了した。事故はブロンクヴィストの事故と似ていたが、リーダーのマクラフリンの後ろを走っていたハータは、#26 アンドレッティ・グローバル・ホンダを失う前に内側の縁石に触れることはなかった。ハータはガレージに押し戻されたが、数周遅れでちょうど中間地点を過ぎたところで復帰した。ウィル・パワーの猛攻は147周目に第2ターンで激しいクラッシュを起こして終了した。彼のチーム・ペンスキー・シボレー#12は第1ターンでエド・カーペンター・レーシングの新人クリスチャン・ラスムッセンの外側を走っていたが、後部が折れて壁に衝突した。カイル・ラーソンは18位でフィニッシュしたが、インディ500のスタート遅延によりNASCARカップ・コカコーラ600を欠場せざるを得ず、「ザ・ダブル」への正式な挑戦は叶わなかった。