インディカー:2023年第10戦がトロンソで行われ、クリスチャン・ルンガーがキャリア初優勝土曜日の予選は雨に見舞われたHondaインディ・トロントだったが、日曜日のレースは快晴に恵まれ、オンタリオ湖畔のストリートコースは大いに賑わった。このレースはインディカー・シリーズがアメリカ国外で行う唯一のレースで、毎年多くの、熱心なファンが集まることで知られている。
舗装が改修された部分と、前年よりバンピーになっている部分の混在する全長1.786マイルのコースでの戦いとなった今年のレースでは、クリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)が、ポールポジションから圧倒的なパフォーマンスを見せ、念願のキャリア初優勝を飾った。ソフトとハードの二種類があるタイヤの両方で安定したハイペースを保ち続けた彼は、ライバルたちに11.7秒の大差をつけてゴールラインを横切った。ルンガーはインディカー・シリーズへのフル参戦を始めてまだ2年目。21歳という若さながら、デビューから28戦目で初勝利を手にした。なお、彼の勝利はデンマーク出身ドライバーによるインディカー・シリーズでの記念すべき初勝利で、チームにとっては2020年の佐藤琢磨よるインディ500の勝利以来、通算30勝目となった。Hondaドライバーで今年初勝利を挙げるのはロング・ビーチのACURAグランプリオブロングビーチでのカイル・カークウッド(Andretti Autosport) に続いて2人目となる。2位は予選15番手だったアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)。レース終盤のリスタートで目の前を走っていた2台が接触してスピンし、彼らのマシンを避け切れなかった彼はフロントウイングを破損したが、マシンを労わりながらもハイペースを保つ脅威的なドライビングで2位フィニッシュし、ポイントリードを110点から117点に広げた。パロウのすぐ前の14番手スタートだったコルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)が3位でゴールし、今シーズン初めて表彰台に上がった。ルンガー、パロウ、ハータという20代のHondaドライバーたちがHondaインディ・トロントの表彰台を独占。予選7番手だったスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が4位に入り、Honda勢は決勝レースの1位から4位を占めた。ルーキーのマーカス・アームストロング(Chip Ganassi Racing)もキャリアベストとなる7位でゴールし、ウイナーのチームメートであるグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)も、1周目のターン1で発生した多重アクシデントに巻き込まれながら、27番グリッドから9位まで大幅にポジションを上げてのゴールを達成した。次戦、次々戦は来週末、アイオワ州デモイン郊外のショートオーバルで行われるダブルヘッダーとなる。クリスチャン・ルンガー(Rahal Letterman Lanigan Racing)「初優勝! HPDに深く感謝します。予選はウエットコンディションで難しいものでした。ウエットの路面でフルアタックする予選を行うのは初めてでした。しかも、それを滑りやすいストリートコースで行ったわけですが、そこで大きく役立ったのがHPDのエンジニアたちによるスロットルマップの調整でした。私はそれがあったおかげで持てる力をフルに発揮できたんです。そして今日は、追ってくるライバル勢より少ない燃費セーブ量でよい状況でしたが、燃費のセーブは簡単に行うことができ、その状態で後続を引き離して行くことができました。燃費をセーブしながらもライバル勢より速く走ることができていたんです。最初の勝利は忘れられないものになります。ありがとう、Honda」アレックス・アロウ(Chip Ganassi Racing)「私たち、カーナンバー10にとってはたいへんな一日でした。予選がうまくいかなかったので、私たちのスターティングポジションは15番手でした。しかし、マシンは非常に速かったんです。そのことは週末が始まった時からわかっていました。レース中にポジションを大きく上げた後、二番目に用意していた作戦に変更し、そこからはとにかく燃料をセーブして走ることに努めました。Hondaに感謝します。ものすごい量の燃料セーブを私たちは達成しました。マシンに積んでいた燃料よりもたくさん燃料を消費していた、というぐらいでした。新しいスポンサーカラーのマシンで表彰台に上ることができたのもうれしいことで、本当に楽しい一日でした」