北米マツダの本社から30マイルの位置にあるカリフォルニア州ロングビーチ市街地コースにて、4月8日(土)にIMSAウェザーテック選手権第3戦決勝レース(100分)が行われ、ジョナサン・ボマリート/トリスタン・ヌネス組のマツダRT24-P 55号車が過去最高の総合3位に入賞し、ドライバーが表彰台に上がった。僚友のトム・ロング/ジョエル・ミラー組の70号車は同様に良いペースを築いていたが、ピットストップ時に起きたエアジャッキの不具合によって約1周分タイムロス。それでもプロトタイプクラス6位入賞でレースを終えた。
チームは、昨年のIMSAデトロイト戦でクラス3位入賞を果たしているが、総合での3位以内入賞はこれまで経験がなかった。同時に今季投入したばかりのニューマシンであるマツダRT24-Pにとっては初のポディウムフィニッシュであり、このマシンのデザイン作業を主体的に進めたマツダUSAのデザイナー達も会場に駆けつけ、この結果の喜びを分かち合った。 2台のマツダRT24-Pは鮮やかなスタートダッシュを決め、上位に躍り出た。3番グリッドから飛び出した55号車(ネネス)はキャディラック5号車を抑え、第1ターンには2位で入って行った。また、予選7番手からスタートしたロングの70号車も序盤のうちに3位にまでポジションアップ。40分経過時点では、マツダRT24-Pは、2位・3位体制を築いていた。しかし、直後にタイトヘアピンのターン11でスタックしたフォードGTに行く手を阻まれてしまう。今シーズン最もタイトなコーナーとして知られるこのヘアピンでスピンした同車は、コースを塞ぐ形でスタック。その前方から切り抜けようとした55号車の前に突然動き出してそれを遮ったが、ヌネスは狭い隙間にノーズを入れて切り抜けて行った。しかし、さらに角度のきつい場所にいた70号車のロングは、またしても急にバックしてきたフォードGTのため動きがとれず、ポジションをいくつか落とすことになる。 このスプリントレースでは、マツダ陣営ではそれぞれ1回のピットストップが計画されていた。55号車はヌネスからボマリートへのドライバー交代を迅速に済ませ、プロトタイプの4番手でコースに戻ったが、間には給油量の少ないGTカーを何台か挟んでしまった。総合3位に上がったのち、これらバックマーカー達を処理しながら周回したため、2位ニッサンDPiに追いつくことは叶わなかった。一方の70号車はロングからミラーに交代してピットアウトする際、エアジャッキのトラブルによって右リアタイヤが正常に装着されていないままスタートしてしまい、引き戻されてタイムロスを喫した。それは、コース全長の短いロングビーチでは約1周分のロスとなった。 ジョン・ドゥーナン (マツダUSAモータースポーツ)「今日のロングビーチは、立派なマツダデーでした。2台のマツダプロトタイプは共に手堅いペースで走れました。レースの最後に立っていたい場所は、もちろんポディウムです。チームのみんな、すべてのパートナーの方々に感謝したいと思います。ようやくスピードを身につけることができたので、私たちの2017年プログラムはここからスタートします。今回レースリーダーの後ろ姿を見ることができましたが、私たちはそれでは満足していません。ポディウムの中央こそが、マツダブランドそしてパートナーの皆さんが望んでいる場所なのです」トリスタン・ヌネス (55号車ドライバー)「素晴らしいスタートが切れましたね。3台がサイドバイサイドでターン1に向かいましたが、僕は1インチも怯むことなく2番手を手に入れました。ピットストップまで2位をキープできたので、パフォーマンスには満足しています。ロングビーチはファンからの距離が近く歓声が聞こえますし、この狭いコースに多数のマシンがひしめき合います。まるでコンクリートの渓谷であるこのトラックで、イエローコーション多発の中、マシンがとてもクリーンだったのは奇跡的です。僕にとってはとてもスムーズなクルージングでしたね」 ジョナサン・ボマリート (55号車ドライバー)「トラフィックはまるで野生の世界のようでした。対策については、エンジニアのザック(ラグローン)と事前に話していましたが、事態はそう簡単ではありませんでした。レースの流れに対してフレキシブルに対応する必要があります。ましてや頻繁に起きるイエローコーションのたびに追い越し禁止だし、前方にと飛び出すのはとてもリスキーです。もちろん上位車には負けたくないけど、この状況では(勝てる)チャンスも少ない。覚悟して前方に飛びたしたマシンが壁に突っ込むシーンも珍しくないですから。しかし、僕らのチームにとっては良い一日でしたね。RT24-Pにとって初のポディウムだし、トリスタンが予選とスタートで頑張ってくれたし、僕はとてもハッピーです」
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