2025年F1第14戦ハンガリーGP木曜会見「パート1」には、選手権リーダーのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ハースのエステバン・オコン、アルピーヌのピエール・ガスリーが出席。前戦スパでの振り返りとともに、今季後半戦に向けた展望が語られた。視界不良によるレースコントロールの判断をめぐる議論にも及び、3人はそれぞれの立場から冷静に見解を共有。タイトル争い、チーム内の信頼関係、雨天時のリスク判断など、多岐にわたる話題が飛び出した。
Q:スパでの走りは素晴らしかったですね、オスカー。オーバーテイク、タイヤマネジメント、プレッシャーへの対処——その中で最も満足したのは?オスカー・ピアストリ:いろんな要素が組み合わさってたと思う。特に1周目のオーバーテイクは勝利のカギになったと思ってるし、ローリングスタートだったことを考えると、スタートもかなり良かった。それが好位置につけられた理由だと思う。あとミディアムタイヤのマネジメントも重要だったね。週末全体を通してペースが良かったし、日曜以前の段階から手応えがあった週末だったよ。Q:そしてタイトル争いですが、現在3位のフェルスタッペンに81ポイント差。これはランド・ノリスとの一騎打ちと見ていいですか?ピアストリ:そうだと思うよ。ここ数週末は、常に僕とランドの争いになってるしね。今後の特定のサーキットでも、彼とはしっかり競り合うことになるだろう。もちろん、フェルスタッペンやフェラーリ、メルセデスが食い込んでくる可能性もあるけど、それは予測できない部分だ。僕自身はとにかく1戦1戦勝ちにいくだけ。ランドとは同じマシンに乗っているから当然彼が一番のライバルになるよ。Q:この週末のハンガリーは、ちょうど1年前にあなたが初優勝した地ですね。今回も二人の争いになりそうですか?ピアストリ:どうだろうね。チームとしてはこのサーキットは過去にも好成績を収めているし、僕が加入してからの2年間はいつも調子がいい。今回も強さを発揮できると思うよ。でも今年は、期待したほど優位に立てなかったサーキットもあるし、逆に意外と差を広げられた場所もある。何が起こるかは分からないけど、前方で戦えると思ってる。Q:エステバン、まずはスパを振り返りましょう。スプリントは良い結果でしたが、決勝は残念でした。日曜の戦略やタイヤ選択については何を学びましたか?エステバン・オコン:まず全体としてはポジティブな週末だったと思ってる。強いクルマがあって、ポイント圏内で戦える力があったし、それを金曜と土曜のスプリントでは最大限に活かせた。僕が5位、オリバーも7位で大量得点だった。ただ土曜の予選はうまくいかなかったし、決勝はさらに悪かった。我々には速いクルマがあるけど、それをきちんと活かせるように全部を揃える必要がある。今週末はそこを目指すよ。Q:アップデート以降、特に高速コーナーで好調なクルマですが、今週末はどうなりそうですか?オコン:問題なく競争力を発揮できると思う。僕自身も好きなサーキットだし、いい思い出もある。アップデート以降、明らかに一歩前進できているし、あとは正しいゾーンに入れるかどうかだ。予選が非常に重要になるから、そこで最大限を引き出す必要がある。あと、また雨が降るかもしれない。ここ2戦は戦略で最大限の結果が出せなかったから、今回こそはうまくやりたいね。Q:そしてこのハンガリーGPでシーズン前半が終わります。この新チームでの前半戦を自己評価すると?オコン:全体的に見れば、いい方向に進んでると思う。もちろんスムーズじゃない週末もあったけど、「これは完璧だった」と言える週末も何度かあった。学びも多かったし、開幕戦オーストラリアでは最後尾だったけど、そこからは本当に見事な巻き返しができたと思う。チームは難しい状況でも諦めずに反応してくれたし、そういう姿を見ると僕も誇らしい。今は中団が団子状態だから、1戦ごとの結果が年末に大きな差になる。常に全力で戦うよ。Q:ピエール、ここ2戦は好成績ですね。シルバーストンで6位、スパで10位。最近のクルマの進化についてはどう感じていますか?ピエール・ガスリー:確かに、ここ2戦は良い結果だった。天候が順位を少しシャッフルしたけど、僕らは正しい判断ができたし、持っているパッケージを最大限に活かすことができた。シルバーストンもスパも戦略が完璧だったし、チームとしての運用がうまくいってる。もちろん、もう少しパフォーマンスが欲しいけど、今は与えられたマシンでベストを尽くすだけだね。Q:あなた自身のパフォーマンスにも触れたいのですが、ここ2戦は特に素晴らしかったです。ご自身ではどう評価していますか?ガスリー:すごく満足してるよ。でもそれはチームが僕に自信を与えてくれるクルマを用意してくれているおかげだ。今季は厳しいシーズンだけど、みんなが一丸となって毎週末にベストを尽くそうとしている。結果が14位や12位でも満足できないけど、それでも毎回ベストを尽くす姿勢は変わらない。その積み重ねがシルバーストンの6位やスパの10位に繋がったんだと思う。後半戦も同じ気持ちで臨むよ。記者からの質問Q:ピエール、今あなたは選手権で最下位に位置しています。エンストンのチームがここまで下位に沈んだのはトールマン時代の1985年以来です。9月にスティーブ・ニールセンが新たなマネージングディレクター/チーム代表に就任しますが、最下位脱出のために彼がすべきことは何でしょうか?ガスリー:現実として、バルセロナ以降クルマの仕様は変わっておらず、今後もシーズン末まで同じ状態が続く。だから達成可能な目標については現実的になる必要があると思う。スティーブが9月に来てくれることは心強いけど、彼の影響が現れるのは2026年以降になるはずだ。今は2026年に向けてチーム全体が取り組んでいて、その方向性には手応えを感じている。来季以降、競争力あるマシンを用意してくれると信じている。今季の成績が悪いからといって、トラック上やファクトリーで悪い仕事をしているわけじゃない。中団が極端に拮抗している中で、我々は2026年に向けた決断をしており、それが今季の成績に影響しているだけだ。正直言えば、コンストラクターズで9位だろうが10位だろうが、実質的には何も変わらない。でもその分、来年表彰台や勝利、トップ5争いができるクルマを得られるなら、僕はそっちを選ぶ。Q:オスカー、昨年スプリントでの初優勝のあと「本物の勝利とは言えない」と話していました。でも現在の選手権ではスプリントがタイトル争いを左右する状況です。スプリントに対する姿勢は変わりました...
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