2021年 第11戦 F1ハンガリーGP 決勝でのタイヤ戦略をF1公式タイヤサプライヤーのピレリが解説した。アルピーヌのエステバン・オコンが、劇的なハンガリーグランプリを制し、F1初優勝を飾りました。ウエットコンディションの下、アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィ以外の全ドライバーが、Cinturatoグリーン・インターミディエイトを装着してスタートした。
第1コーナーでの多重事故により、レースは赤旗中断となった。この中断中、各チームはタイヤ交換とマシンの補修を行うことができた。リスタート時のトップグリッドに位置したメルセデスのルイス・ハミルトンのみが、インターミディエイトでグリッドからスタートし、ほかのドライバーはミディアムタイヤへ交換してピットレーンからスタートした。ハミルトンは、リスタート後の1周目にミディアムへ交換するピットストップを行い、最後尾まで後退したものの、その後、ハード~ミディアムと繋いで猛追し、最終的には3位でフィニッシュした。エステバン・オコンは、2回目のフォーメーションラップ後、C3コンパウンドのP Zeroイエロー・ミディアムタイヤで効果的なスタートを切り、37周目にC2コンパウンドのP Zeroホワイト・ハードタイヤへ交換した。オコンと同様の戦略で僅差の2位を獲得したアストンマーティンのセバスチャン・ベッテルは、オコンより1周早い36周目にピットストップを行った。記録的な高い気温の金曜日、引き続き暑いコンディションの昨日を経て、今日のスタート時は、雨混じりの気温28度、路面温度32度のコンディションだった。その後、路面温度は40度まで上昇した。■各コンパウンドのパフォーマンス【ハードC2】大半のドライバーがレースの後半で使用し、ハードでの50周近いスティントも見られた。【ミディアムC3】最初にミディアムを使用したドライバーは、フォーメーションラップ後にタイヤ交換を行ったジョビナッツィだった。リスタート後、全ドライバーがミディアムを使用した。ハミルトンとレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ファイナルスティントでもミディアムを使用した。アルピーヌのフェルナンド・アロンソは、36周の長いスティントをミディアムで走行した。【ソフトC4】アルファロメオのキミ・ライコネンとアルファタウリのピエール・ガスリーのみが、ファイナルスティントでソフトタイヤを使用した。ガスリーは、ファイナルスティントでファステストラップポイントを獲得した。不安定な天候が、耐グレイニング性能の高い、硬めのコンパウンド使用を促進した。マリオ・イゾラ(ピレリF1およびカーレーシング責任者)「スタート前においてもレースの予測は難しい状況でした。今日のコンディションの参考になる材料を誰も持ち合わせていなかったことから、レースは全くの未知の領域で始まりました。スタート時の路面状況ではインターミディエイトの選択が適切でした。しかし、赤旗中断中に急速に路面が乾いたことによって、リスタート後はドライレースのコンディションとなりました。リスタート後を“実質的な“レースとすると、ミディアム~ハードの1ストッパーが見られた一方、ハミルトンやフェルスタッペンのように、異例のレース状況によって後退を強いられたドライバーたちは、2ストップのスプリント戦略を採りました。初優勝を飾ったエステバン・オコンとアルピーヌを祝福します」
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