今シーズンのGP2タイトルを獲得したニコ・ヒュルケンベルグは、F1昇格に自信を見せている。2年間ウィリアムズのテストドライバーを務めるニコ・ヒュルケンベルグは、2010年のレースシートを得るオプション契約を有している。しかし、マネージャーには、ミハエル・シューマッハを管理してきたウィリー・ウェバーという強力なバックもついている。ニコ・ヒュルケンベルグは、「そう願っているし、考えている」と“Sport Bild”紙を語っており、“Auto Motor und Sport”には「良さそうだね」とF1昇格に自信を見せている。
「ウィリアムズにはとても良い印象を持っている。残留できたら嬉しいね」とウィリアムズからのF1デビューを目指していることを明らかにしている。マネージャーのウィリー・ウェバーも、「数チームと交渉している。オプションがあるのは、ウィリアムズだ」とウィリアムズでのF1デビューの可能性が高いことを示唆している。また、GP2チャンピオンという肩書きもF1昇格への十分な実績となっている。GP2は2005年のシリーズ設立以来、昨年のジョルジオ・パンターノを除く3名のチャンピオンが翌年F1デビューを果たしている。ニコ・ヒュルケンベルグは2005年以降、フォーミュラBMW、A1GP、F3ユーロシリーズ、ザントフールト・サーキットで行われたF3マスターズでも優勝を達成している。フランク・ウィリアムズ代表も「ニコはF1で戦う準備ができている」と以前から評価している。しかし、近年のGP2は、そのレベルの低さが指摘されてもいるのも確かだ。タイトル争いに絡んでいたロマン・グロージャンは、シーズン途中にルノーのレースシートを獲得してF1昇格。それにより、ヒュルケンベルグのライバルは豊富なスポンサーフィーを手にするロシア人ドライバー、ヴィタリー・ペトロフぐらいとなった。「ペトロフはともて優れたドライバーだし、いい働きをする。一生懸命作業するし、レースに対する姿勢も真面目だ。とても尊敬してるよ」とヒュルケンベルグはヴィタリー・ペトロフを評価している。ヴィタリー・ペトロフも、2010年にカンポスからのF1デビューが噂されている。しかし、ヒュルケンベルグは、カンポスのような新規参入チームとはまだ交渉を行っていないようだ。来年の契約締結について問われたヒュルケンベルグは「今後数週のうちに決まればと思っている」と答えている。既存ドライバーであるニコ・ロズベルグに関しては、マクラーレンまたはブラウンGPへの移籍が有力視されている。その場合、ひとつのシートは空くことになるが今季まだポイントを獲得していない中嶋一貴の残留は厳しい状況とみていいだろう。ウィリアムズは、来年トヨタ・エンジンの搭載は考えていないため、トヨタとの契約が終了すれば、中嶋一貴を乗せるメリットはなくなる。またBMWザウバーの撤退やルノーの展開次第では、多くの有力なドライバーが市場に出る可能性がある。
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