ホンダ・レーシング(HRC)のCEOであり社長を務める渡辺康治は、アストンマーティンのチーム代表エイドリアン・ニューウェイが示した懸念について、「誤解によるものだ」と説明した。2026年F1シーズン開幕後も、アストンマーティンとホンダのパワーユニット(PU)を巡る課題が注目されるなか、両者の関係性や開発体制について改めて言及した形だ。
ニューウェイの指摘に「誤解」と説明ニューウェイはオーストラリアGPの段階で、ホンダのさくら拠点におけるエンジニアリング体制が、かつての成功期から大きく変化していたことを2025年11月まで把握していなかったと明かしていた。また、新レギュレーションに向けた再参入時点では「元のチームの約30%しか残っていなかった」とし、開発面で後れを取ったことが現在の苦戦につながっているとの見解を示していた。これに対し渡辺康治は、ホンダの人材ローテーション方針が背景にあると説明した。「基本的には誤解だと思います。我々の方針として、モータースポーツのエンジニアを量産や先進技術、例えばジェットやeVTOL、水素関連などへ定期的にローテーションさせています」「これは以前から続けている取り組みです。おそらく私の説明が十分ではなかったのだと思いますし、組織の再構築に時間がかかったことが、彼の懸念につながったのだと思います。ただ、現在は十分な体制と人材が整っています」振動問題とエネルギー管理の改善に注力現在の最大の課題となっている振動問題について、渡辺康治は主にバッテリー周辺へのダメージが焦点であると明かした。「現時点では、主にバッテリー周辺のダメージに関わる振動の改善に取り組んでいます。同時に、鈴鹿に向けてエネルギーマネジメントの改善も行い、ドライビング性能の向上を図っています」さらに、ダイノ上のテストと実車での挙動にギャップがあることも課題だと説明した。「最も難しい点は、開発開始が他社より遅れたことです。また、ダイノ上では許容範囲の振動であっても、実際のシャシーに組み込むと振動が大きくなってしまうのです」「そのため、PU単体では解決できません。アストンマーティンと密接に連携し、パワーユニットだけでなくシャシーも含めて問題解決に取り組んでいます」今季中の性能改善には限界一方で、現行レギュレーションの制約により、今シーズン中に大幅な性能向上を実現することは難しいとも認めた。「現在のレギュレーションでは、性能そのものを大きく改善するのは難しい状況です。そのため、信頼性の向上を優先しつつ、ルールの範囲内で出力向上を図っています」また、アブダビGPまでにどこまで改善できるかについては、具体的な計画は明かさなかった。「アストンマーティンとともに回復プランはありますが、現時点で詳細をお伝えすることはできません」
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