F1オランダGPの予選がザントフォールト・サーキットで行われ、マックス・フェルスタッペンが今季7度目のポールポジションを獲得。ピエール・ガスリーは自己最高タイの4番手に入った。フェルスタッペンへ声援を送る大観衆がサーキット全体をオレンジ色に染め上げる中、Q1がスタート。走行が進むごとに路面状況が改善されていく度合いが大きく、後からアタックしたマシンが大幅にタイムを上げる。
こうした中、アタックへ向かう際のトラフィックも多くなり、セルジオ・ペレスは最終アタックに入れないままQ1を終了。トップ3まで約0.5秒差ながら、前のマシンとわずか0.041秒差で16番手となり、Q2進出を逃した。フェルスタッペン、ガスリー、角田裕毅の3人はQ2へ進出。しかし、ここで今度は角田を不運が襲う。1度目のアタックで15番手となった角田裕毅は、2度目のアタックでタイム向上を図るが、ウイリアムズのジョージ・ラッセル、ニコラス・ラティフィが相次いでクラッシュを喫し、セッションは2度の赤旗中断に。2度目の赤旗の時点で残り時間は1分38秒のみとなったことから、セッションは再開されず、各車最初のアタックのみで終わり、角田は15番手となった。この結果、角田とペレスが8列目で並び、明日はスタートタイヤが選択可能となった。赤旗の影響でQ3はスタートが遅れたものの、セッション自体はスムーズに進み、フェルスタッペンは1度目のアタックで1分8秒台のタイムをマーク。2度目のアタックではさらにタイムを上げて、ポールポジションを獲得。母国の観衆からは大声援が送られました。これが、フェルスタッペンにとっては通算10回目、ホンダF1にとっては87回目のポールポジションとなった。ガスリーも素晴らしいパフォーマンスを見せ、フェルスタッペンとメルセデス勢2台に続く2列目4番グリッドを獲得。自身の予選最高位に並ぶ結果となった。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日は、初の母国GPでの予選となったレッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手が見事にポールポジションを獲得。ホームの大観衆を前に、圧巻のパフォーマンスを見せてくれました。また、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手も、自身最高位タイとなる 2列目4番グリッド獲得と、素晴らしい結果になりました。チームメートの角田選手はセッションごとにペースを上げていきましたが、Q2最後のアタック中に赤旗中断となり、タイムを更新しないままにQ2敗退が決まってしまったことを、残念に思っています。また、ペレス選手についてもQ1の2回目のアタックがタイムアウトによりスタートできず、Q1敗退で16番手と、事前に望んでいたような結果にはなりませんでした。このサーキットでのオーバーテイクは難しいため、明日のレースではいいスタートを切ることがとても大切になります。また、今日のような赤旗やセーフティカーの可能性も大いにあり得ますので、あらゆる状況を視野に入れ、チームと一緒に万全の準備を進めます。レースウイーク開始以降、ザントフォールト・サーキットの周りには多くのフェルスタッペン選手のファンが集まっています。オレンジに染まったスタンドからは大声援が送られ、私たちホンダのメンバーにとっては、まるでホームの鈴鹿にいるような感覚にもなります。その声に応えるためにも、明日はいい結果を得られればと思っています」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)「ポールポジションを獲得できて最高の気分ですし、それがホームレースであればさらに満足感は高まるものです。フィニッシュラインを通るたびに、みんな熱狂的な声援を送ってくれましたし、グランドスタンドで楽しんでいる皆さんを見ることができたのは素晴らしいことでした。FP1からこのコースでのドライビングは楽しかったのですが、予選で燃料搭載量を減らしてのアタックはものすごかったです。セクター2やバンクのあるコーナーでは全開で、その感覚がとてもよく、大いにドライビングを楽しみました。鈴鹿のようなリズムが重要な高速コースで、F1マシンのグリップを感じることができますし、チャレンジしがいがあるので、こういうコースはとても楽しいです。今日はチーム全体が上手くいき、昨日に比べてもう一段マシンを改善することができました。予選は赤旗によって難しい状況もありました。ミスができない環境は面白いですし、エキサイティングさが増しますが、自分のラップはよかったと思います。(最終アタックで)タイムを失った場所が2か所ありました。ターン3出口のバンピーな部分で2段シフトアップをしてしまったこと、そして最終コーナーを抜けたところでDRSが開かなかったことです。DRSについては原因を確認していく必要があります。ただ、幸いにもこのラップのタイムでポールポジションに届きました。このコースではオーバーテイクが非常に難しく、前からスタートできることは重要なので、明日はスタートがカギになりますし、タイヤをケアする必要もあります。また、新しいコースでは波乱が起きやすいので、その点も注意が必要です。今日も僅差だったように、メルセデスは強いと思うので、明日も思っているほどすんなりとはいかないはずです」セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)「今日はマシンが素晴らしかったので、このような結果になってしまったことは本当に残念です。予選までにマシンを大きく改善できていたので、フロントローに2台のマシンが並ぶことも可能だったと思います。それだけに、こんな結果になるとは考えていませんでした。Q1の最後のアタックは、みんなピットレーンからとても時間をかけてスタートしていたため、1.5秒の差で時間切れとなり、アタックを開始することができませんでした。本当に不運だったと思います。ここからチームとして今日のことをよく振り返り、今後のレースに向けて、さらに強くなっていかなくてはいけないと思います。明日のレースではオーバーテイクが本当に難しくなります。ただ、何が起こるか誰にも分からないサーキットでもあるので、波乱を避けながら何かしらチームの力になれればと思っています」ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)「今日の予選4番手はとてもうれしいです。フリー走行では少し苦戦してペースが不足しており、ここまで来るのは簡単ではなかったです。タイムを向上させられる部分が見つかり、アタックではとても力強いラップができました。明日のレースで2列目からスタートできるのは素晴らしいことです...