ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、2021年F1ハンガリーGPのオープニングラップでバルテリ・ボッタス(メルセデス)と接触したセルジオ・ペレスのパワーユニットを再び使用するのは厳しいかもしれないと語る。ウェットの滑りやすい路面でスタートしたF1ハンガリーGPのオープニングラップはレッドブル・ホンダF1にとって不運だった。ランド・ノリス(マクラーレン)に追突したバルテリ・ボッタスはそのままセルジオ・ペレスに突っ込み、ノリスはマックス・フェルスタッペンに突っ込んだ。
マックス・フェルスタッペンは、マシンの右側に大きなダメージを負ったものの、レースを続行して10位でフィニッシュ。だが、セルジオ・ペレスのレースは1周目に終わった。田辺豊治は、セルジオ・ペレスのパワーユニットは“もらい事故”の衝突によってダメージを負っている可能性があると語る。「HRD Sakuraに戻して確認しますが、データにも問題が出ていおり、厳しいかもしれません」と田辺豊治は語る。また、F1ハンガリーGPでは、前戦F1イギリスGPでクラッシュしたマックス・フェルスタッペンのパワーユニットを土曜日まで使用していたが、予選後にクラックが見つかり、新品のパワーユニットに交換している。「FIAの封印を剥がさずに交換できるものはすべて交換しました」と田辺豊治は説明する。「そのほか、大きなストレスがかかった部分は点検しました。PUは封印されているのですべてを分解して検査することはできません。外観でチェックできる部分とファイバースコープで確認できる部分をチェックし、大丈夫だということで金曜日と土曜日に使いました」「しかし、強い衝撃がかかったことは分かっていたので、入念にチェックしたところ、クラックが確認されました。予選後にクルマが戻り、カウルやカバーを外してパワーユニットをチェックしている時に問題を発見しました」「予選前も同じところを確認しましたが、異常はまったくありませんでした。ですが、予選後にチェックすると、クラックが入ってオイルが滲み出ていました。そういった状況から、日曜日のレースで継続使用するのは危険だと判断して交換を決めました」クラックが確認されたのはエンジンであり、今後も使えるかどうかは分からないと田辺豊治は語る。「HRD Sakuraに送り返して修復可能なかを検討します。部品を交換にできる部分ではないので、外から補修ができないかを検討します。その結果で今後も使えるかどうかが決まりまが、かなり厳しいいう感触はあります」「ある意味、レースではなく、予選後に発見できてラッキーだったと捉えるしかないと思います。他の構成部品もあるのですぐに脱落することはありませんが、何事故の原因になったり、オイルが漏れ出してクルマに火がつくといった可能性もありました」「新しいPUを入れたので、レース結果は残念だでしたが、事前に見つかってよかったと思っています」
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