2021年のF1世界選手権 第3戦 F1ポルトガルGPの予選では、ホンダF1パワーユニット勢の3台がQ3へ進出。レッドブル・レーシング・ホンダの2台が2列目を確保した。Q1では、セルジオ・ペレスがターン4でスピンを喫したように、強風が吹き荒れ、非常に難しいコンディションとなった。路面のグリップも低い中だったが、4台揃ってQ1突破を果たした。
Q2は決勝レースをにらんでタイヤ選択が分かれ、レッドブル・レーシング・ホンダの2台はミディアムタイヤでタイムを記録。最終アタックではソフトタイヤを装着してコースインしたが、ミディアムのタイムで突破が確実となったことで、最後はペースを緩めた。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダにとっては難しいQ2となった。ピエール・ガスリーが10番手で6戦連続のQ3進出を決めたものの、ポルティマオでの走行がキャリア初となる角田裕毅は、14番手で敗退となった。FP3を首位で終えたフェルスタッペンは、ポールポジション獲得を目指してQ3へ挑み、1回目のアタックでトップに立つ。しかし、このアタックのターン4で膨らんだ走行が、トラックリミット違反(コース外走行)と裁定され、タイム取消となる。タイムなしの状態で最終アタックに臨んだフェルスタッペンは、最初のアタックから0.5秒近くタイムを落としてしまい、3番手に終わる。ペレスが4番手で続き、レッドブル・レーシング・ホンダは2列目に並ぶこととなった。ガスリーも、ターン14でワイドに膨らんだことで最終アタックのタイムが取り消されましたが、9番グリッドを獲得して予選を終えた。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日のポルトガルGP予選は、両チームともに風の影響やタイヤグリップなどに苦しむ、難しいコンディションとなりました。その中で、レッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手が3番手、ペレス選手が4番手と、両ドライバーが並んで2列目スタートのポジションを確保することができました。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手もQ3進出を果たして9番手、昨年から6戦連続でQ3進出と、安定した予選のパフォーマンスを見せています。このサーキットは初走行となるチームメートの角田選手は、残念ながらQ3進出は逃して14番グリッドとなりましたが、レースでは彼らしいアグレッシブな走りを期待しています。昨日から本日へのコンディション変化など、明日に向けてデータを十分に解析してレースに備えます」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)「予選3番手という結果はもちろん僕たちが望んでいたものではないのですが、Q3の1回目のアタックでトラックリミットにより抹消されたタイムは、ミスがなければさらに速くなっていたはずなので、(競争力があるという意味では)そこまで悪くないと思っています。Q1とQ2ではどのマシンも滑りやすい路面に苦しんでおり、僕たちもバランスを見つけるのに苦戦しましたが、Q3では改善されたので、ライバルに対してそこまで大きな後れを取っていないはずです。今日のセッションは1番手から3番手のどこでフィニッシュしてもおかしくなかったと思います。あるアタックでは満足のいく走りができたのに、その後で別のタイヤを履くとまったく感触が変わってしまうような状況でした。このサーキットでは少しのグリップの違いが大きな結果の差を生むので、今日は本当に先の予測がつかない予選だったと思います。今日の予選では競争力がありましたが、明日のレースはまた異なる展開になるのではないかと感じています。ロングランのペースは悪くないのですが、グリップレベルが低いので、他のマシンの後ろについて走るのは難しい状況です。まずはスタートにフォーカスしていい形でレースを始め、そこから前のマシンにプレッシャーをかけていきたいと思います」セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)「僕にとっては最高の予選にはなりませんでした。リズムをつかめずラップがまとまらなかったので、自分のラップタイムには喜べません。バランスにもあまり満足がいかず、かなり苦戦してしまい、予選でもっと上に行けなかったのは残念です。このコースではタイヤが重要で、正しい温度に入れるのがとても難しいです。アウトラップ、その後のラップ、アタックラップと、ウォームアップのためにすべてを試しましたが、上手くいきませんでした。風で状況がさらに厳しくなり、このコンディションはメルセデスのほうが合っていたのだと思いますが、それでもいいスタート位置で、明日は大きなチャンスがあると思いますし、レースでは何が起こるか分かりません。僅差の戦いになるはずなので、楽しみです。メルセデス勢へプレッシャーをかけていく必要がありますが、明日は表彰台争いができればと思います」ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)「今日の予選でのパフォーマンスには、とても満足しています。ここでは、今までのレースよりも苦戦すると見ていただけに、またQ3へ進出できたことはポジティブです。僕らにとっては厳しいサーキット特性だと思ってポルトガルへやって来ましたし、レースウイーク中は、これまでと異なるコンディションで、特に風に悩まされています。チームはFP1からマシンバランスを変更するためにハードワークを重ねてくれましたが、まだ完全には満足できていないので、今夜もさらに理解を深めるべく取り組んでいく必要があります。中団のライバルたちは今週末大きく前進していたので、マシンの感触がそこまでよくない中でも、Q3に進出できたことはうれしいです。明日はポイントを重ねられる位置にいけるはずです」角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)「ここでは初めての走行ですが、FP2を終えるころにはサーキットへ上手く適応できたので、予選に向けた準備はできていると感じていました。僕としてはいいラップだったのですが、タイヤが合わず、ソフトタイヤでは全くグリップがなくて、最終セクターに至るまでまるでハードタイヤで走っているかのような感覚でした。厳しい予選になって残念ですが、今夜エンジニアとデータを分析して、改善点を確認します。明日は、レースペースがよくなり、追い上げられるように願っています」
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