FIA-F2選手権で上位につける角田裕毅が、目前に迫るシーズン最終戦に向けて今の気持ちを語った。ホンダF1/レッドブルの育成ドライバーである角田裕毅は、F2初挑戦となる今シーズン、ここまで目覚ましい活躍をみせている。先週末に行われた第11戦バーレーン大会ではレース1で6位入賞を果たしたものの、レース2では15位とノーポイトに終わり、ドライバーズランキング5位に後退した。
第11戦を終え、ドライバーズランキングでは、首位ミック・シューマッハ(205ポイント)、2位カラム・アイロット(191ポイント)、3位ニキータ・マゼピン(162ポイント)、4位ロバート・シュワルツマン(159ポイント)、5位角田裕毅(157ポイント)となった。第12戦で獲得できる最大ポイントは48ポイント。自力タイトルの可能性がなくなったが、ポールポジション、2レースで優勝、ファステストラップのすべてを獲得すれば、ランキングトップのミック・シューマッハに並ぶことができる。ホンダF1は第11戦を前に公式サイトでインタビューを実施。9月27日に行われたロシア大会以来の久しぶりのレースになったが、レースの合間をどのように過ごしたのか、角田裕毅に聞いた。「シーズン前のような、“ニューノーマル”の生活をするように、できるだけ心がけました。今の状況は、年初に英国がロックダウンを行った時に似ています。トレーニングは、トレーナーとビデオチャットで行いました。そして、日本の友だちとTVゲームをするなどして、リラックスして過ごしました」「リズムを取り戻すためにどのぐらい時間が必要かは、フリー走行で走ってみないと分かりませんが、そんなに時間はかからないと思っています。ロシア大会から、感触はそれほど変わってません。クラッチを離す瞬間など、スタートでわずかな違いを感じるかもしれませんが、前戦までとの違いを確認しながらフリー走行を走れば、すぐに感触を取り戻すはずです」「2カ月間のブレークの合間には、イモラでF1マシンをドライブしました。それも、マシンの感覚を忘れず、シャープな感覚を維持する助けになっています。いつでも走れるように、F2のシミュレーターでもたくさん練習してきました」アルファタウリ・ホンダのF1マシンで行った走行テストは、多くの注目を集めた。角田裕毅はその貴重な機会を無駄にしないよう、F1マシンでの初走行の経験を、今シーズンのパフォーマンスに最大限活かすべく努力した。「300km走り、F2でも活かせる有意義な経験ができました。マシンのセットアップ方法もそうですし、今までよりも効率的にウォームアップする方法を学ぶ上でも有意義でした。F1では、全てを自分に合わせてセットアップすることができます。セット変更がどう作用するかを1周ごとに確かめられたので、マシンに対する理解が深まりました。ブレーキングとエンジンブレーキのバランスなど、F2での走行に役立つこともたくさんありました」「ここまでのF2のレースでは、フリー走行からいいペースで走れていたので、チームのCarlinには今までどおりのいい仕事を期待しています。プレッシャーはないですし、焦る必要も感じていません。やるべきことをやるだけです」ランキング4位以内に入れば角田裕毅はF1スーパーライセンスポイントを獲得できる。だが、角田裕毅は、F1を意識して気負いすぎることはないようだ。「もちろん、最終戦までタイトル獲得圏内で戦いたいです。今シーズンの開幕から目標はチャンピオン獲得でしたが、それにはバーレーンの2戦を上位でフィニッシュしなければなりません。今までと同じように、まずはフリー走行に向けて集中します。まずは、1周目のターン1をどうやって攻めるか、どのタイミングでブレーキをかけるかを考えます」「リザルトやランキングを意識しすぎることはしません。1周1周、1コーナー1コーナーに集中します。もちろん、より多くのポイントを獲得したいですが、1周1周に集中すれば、おのずと結果がついてくると思っています。とにかく、いいペースで走れるように努力します」