ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は、F1から撤退したことでF1に意義を求めていた技術者がホンダを離れる可能性はあると認める。ホンダはF1撤退の理由として『カーボンニュートラルの実現』を挙げた。ホンダの八郷隆弘社長は会見でカーボンニュートラルの実現はF1と同様に難しい挑戦であり、同社で働く技術者たちも一つのチャレンジだと思ってくれるはずだと語っている。
「F1をやっている技術者につきましては、そのF1で培ってきた技術を2050年カーボンフリーに向けて新たな新しいパワーユニット、エネルギーの研究に従事してもらうように話をしたいと思っています」と八郷隆弘社長は会見でコメント。「その挑戦というのは、F1同様に非常に難しい挑戦になります。その挑戦にチャレンジするということも技術者としての一つのチャレンジだと思ってくれると思いますので、そのような方向でしっかりと身に付けた技術を生かすマネージメントをしていきたいと思いますし、そういうことをやることでホンダに入りたいと思う人が出るように、これから我々の出す商品、技術をしっかりと出していき、それを見守っていただきたいと思っております」山本雅史は、F1の現場への通達については「八郷の会見をもって、皆さん関係者には各マネジメントトップが共有していると思います」と語る。また、過去にブリヂストンがF1から撤退したときのことを例に挙げ、F1に価値を求めていた技術者たちはホンダを離れる可能性があると認める。「過去の例で私が知る範囲で言うと、例えば、タイヤで言えば、ブリヂストンさんが撤退するときも、かなりの技術者がチームだとかピレリさんに行ったって話を聞いてますし、そういった意味では、F1に携わっている価値を100%見出している方々はそういった動きもあるのかもしれませんけど、それも含めて今後から皆さんの相談にも対応していきたいと思っています」と山本雅史は語った。