2020年のF1世界選手権 第8戦 イタリアGPの予選が行われ、明日の決勝では再びホンダのPUを搭載した3台がトップ10からスタートすることとなった。予選Q1は、各マシンがスリップストリームを得るために隊列をなした形で進行した。タイムアタックに入る直前に、各車が最終コーナーでスピードを落とすことによるトラフィックが発生し、ターン1に向けてサイドバイサイドでポジションを競い合うような状況だった。
しかし、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダとアストンマーティン・レッドブル・レーシングの4台はうまくトラブルを避け、Q2進出を果たした。15台のマシンによって争われた予選Q2でも同様の状況になったが、マシンの数がQ1より少ないこともあり、Q1ほどに込み入った状況にはならなかった。接戦の中、フェルスタッペン、ガスリー、アルボンはQ3に進出。クビアトは0.1秒差の11番手でノックアウトとなった。クビアトは、スタート時のタイヤを自由に選べる形でレースを戦う。予選Q3はQ2と同様、僅差の戦いになった。フェルスタッペンは3番手から0.1秒差の5番手、決勝3列目からのスタートになる。アルボンは最終コーナーのパラボリカでトラックリミットを超えてしまい、アタック1回目のタイムが取り消しになった。最終的にアルボンは9番手、ガスリーは10番手でQ3を終えた。クビアトを除く3台は明日の決勝をソフトタイヤでスタートをすることになる。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日のイタリアGP予選は、新たに導入されたPUモード制限の下で行われた初めてのセッションとなりました。我々ホンダとしては、昨日と今朝のプラクティスセッションを通して新たな制限に対しPUのセッティングを最適化して臨みました。ここモンツァで例年発生する予選中のトラフィックなどににも影響されたところはありますが、予選結果はかなり厳しいものとなりました。昨日からマシンのバランスにやや苦しんでいたアストンマーティン・レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手は接戦のなかで5番手、チームメイトのアルボン選手とスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は、フェルスタッペン選手に対して0.3秒差ながらも、タイトな戦いの中で9-10番手、クビアト選手がそれに次ぐ11番手と、簡単な予選ではありませんでした。予選での各車のパフォーマンスは非常に拮抗しており、レースでも少しのミスがポジションを大きく左右することが予想されます。レースで最大限の結果を得られるように、チームと共に万全の準備をして臨みたいと思います」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)「ダウンフォースが少ない中での最適なマシンバランスを掴めず、このレースウイークは苦戦しています。グリップが十分でないのでコーナーの攻略が難しく、予選5番手という結果になりました。若干パワーが不足している部分もありますが、それ以上にコースにあったセットアップとコーナーでのスピードが不足しています。ウイングのセッティング変更など、できることは全て試しましたが、タイムは変わりませんでした。決勝ではいつもいい走りができていますし、表彰台獲得も可能だと思っています。3番手から10番手は接戦でオーバーテイクも簡単ではないですが、3位になるための戦いはできるはずです。一方で、メルセデスの2台は別のレベルにいるので、あまり話せることはありません。モンツァは特別なコースですが、通常のタイプのコースに戻れば再び3番手付近で力強い走りができると思います」アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)「事前の想定どおり、今日の予選は混戦となり、クリーンなラップを取ることが難しいセッションになりました。ここまでチームにとっても難しい週末になっており、この結果には満足していませんが、一方で、個人的にはマシンのバランスはこれまでよりも改善されてきていると感じています。予選結果にはつながっていませんが、僕とマックスとの差も縮んでいるので、比較的スムーズな週末になっていると考えています。スパでも見てきたように、低ダウンフォースのサーキットは僕たちのマシンとの相性が良くないので難しい週末になっており、チームとしては本来いるべきポジションよりもかなり下にいる状況です。マクラーレンはストレートでかなり速いですし、レーシングポイントも今日になって急に速くなっていますが、それを考慮してももう少し前の方にいたかったと感じています。いくつかのコーナーでほかのマシンに対してタイムを失っているところがありますが、プラクティスでの僕たちのレースペースは悪くありません。明日は簡単なレースになるとは考えていませんが、タイヤの摩耗をうまくマネージしながらいいレースにしたいと思います」ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)「今日はQ3に進出できてうれしいです。午前中のFP3は難しいセッションになったので、予選に向けてもう少し改善する必要がありました。Q1とQ2ではいい走りができ、6番手でQ3に進出しました。新品タイヤで臨んだQ3最初の走行はオーバーステアとグリップ不足に悩みました。ユーズドタイヤでの2回目の走行はうまくいきましたが、タイムでは新品タイヤのほかのマシンにかないませんでした。10番手でしたが僅差ですし、決勝でいい走りができるパッケージに仕上がっていると思います」ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)「今日の予選はスリップストリームの取り合いになり、それが成功したかしなかったかが勝負を分けました。運が悪いことに前を走っていたマグヌッセン(ハース)がコースアウトし、スリップストリームをうまく使えませんでした。それでも明日は11番手からのスタートですので、ポイント獲得を目指してレースに臨みます」
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