ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、F1イギリスGP後の会見で週末を振り返った。ポールポジションから1秒差という予選での惨敗を受け、高速のシルバーストンでは厳しい戦いが予想されていた。だが、3台が入賞するという結果を手にした。
実際、他のマシンにトラブルがなければ、ホンダF1にとっては厳しい結果になっていたかもしれない。しかし、その機会を掴む立場にいたことが重要なレースだった。「予選ではメルセデスの2台に大きく離され、3台がQ2落ちを喫するという厳しい結果でしたが、4台がきちんと走って入賞することが目標でした」「クビアトのリタイアは残念でしたが、残りの3台はポジションを上げてレースを終えることができました」と田辺豊治はコメント。「予選では、メルセデスとの間に1秒の差がありました。でも、レースでもまだ差は大きいとはいえ、それなりの速さでは走ることができていたと思います」「最後にメルセデスの2台がパンクチャーに見舞われました。タイヤに限界が来ていたことは、彼らもわかっていたはずです。そこにフェルスタッペンがプレッシャーをかけ続けたことできました。でも、まだ絶対値としては差があります。「今後は、マシンの仕上がり、パワーユニットのマネジメントの最適化を進め、また来週ここに戻ってきたいと思います」「1週間でジャンプアップするのは簡単ではありません。ですが、できる限りのことをして、メルセデスとの差を詰めるべく準備を進めていきたいと思います」もし、マックス・フェルスタッペンがファステストラップを狙うためにピットインしていれば、優勝できる可能性もあった。「予選で差があり、レースペースでも明らかに負けているなかで、最高の結果を残すのはもちろん大事なことです。年間を通しても、モチベーションという意味でも、ひとつひとつ落とさずに獲る。落ちてきたものは確実に拾う必要があります。そういう意味では、喜ぶことができると思います」「ですが、自分たちの真の実力という意味で喜べたかと言うとまた別の話です。落ちてくるまで待たねばならないというのはまったく喜べない状況です」