2020年のF1世界選手権 第3戦 F1ハンガリーGPの予選が行われ、ホンダのF1エンジンを搭載するレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンとアルファタウリのピエール・ガスリーがQ3へ進出した。前日のフリー走行がウエットセッションだったため、この日のFP3が予選前唯一のドライコンディションとなった。空には厚い雲が立ち込めていたが、天候はなんとか持ちこたえ、予選もドライで実施することができた。
降雨が予想されていたことから、Q1では序盤でタイムを記録しておこうと、セッション開始と同時に全車がコースイン。コース上はかなり混雑したが、フェルスタッペン、ガスリー、アレクサンダー・アルボンがQ2へ進出した。アルファタウリのダニール・クビアトは、15番手に約0.2秒及ばず、17番手で予選を終えている。Q2は、各車がタイムアップし、僅差の緊迫した戦いに。フェルスタッペンが3番手、ガスリーが10番手で突破を果たしたが、アルボンは最終アタックでトラフィックに引っかかってしまったこともあり、13番手でQ3進出はならなかった。Q3ではターン1周辺で雨粒が落ち始め、難しい路面状況になる。この影響もあって、フェルスタッペンは最終アタックでタイムを更新できず、7番手に。5番手とは0.075秒差だった。また、ガスリーはPUにトラブルが発生しQ3を走行しなかったため、タイムを記録せずに10番手とった。ホンダF1は明日のレースに向けてリスクを最低限にするためガスリーのマシンのPU載せ替えを行う。本日使用したPUについては至急HRD-Sakuraに送ったうえで、根本原因の解析を行う。田辺豊治 (ホンダ F1テクニカルディレクター)「今日のハンガリーGP予選は我々にとって非常に厳しいものとなりました。フェルスタッペン選手はマシンのバランスに苦しみ、初日のデータを解析し改善は見られたものの、明日は7番グリッドからのスタートとなりました。もう1台、Q3に進出したガスリー選手についてはQ2セッションの終盤にPUのデータ異常を確認したため、Q3には出走しないことを決めました。明日のレースに向けては最大限にリスクを回避するため、新しいPUに載せ換える予定です。本日使用したPUについては至急HRD-Sakuraに送り、詳細解析を行い根本原因を明確にします。明日の天気も金曜日、土曜日同様に不安定な予報が出ていますので、これまでのドライ、ウェットでのデータを参考に最大限パフォーマンスを発揮できるようにチームと共に準備を進めます」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)「当然ながら今日の予選結果にはみんながっかりしています。明確な理由は分かりませんが、昨年は非常によかったこのサーキットでマシンのバランスに苦しんでおり、ここまでは難しい週末になっています。いろいろな部分を変えているので原因をつかむことが難しいのですが、ここまでラップタイムはあまり上がってきていません。このサーキットでは特にセクター2を中心にマシンのバランスのよさが求められるのですが、オーバーステアとアンダーステアが出ており、いい形にまとまっているとは言えません。もちろんここでのオーバーテイクは簡単ではないのですが、それでも僕はレースをあきらめていませんし、できる限りのベストを尽くします。7番グリッドというポジションですので、トラブルを避けながらスタートし、多くのポイントを獲得したいと思います。いつもの通り、自分たちなりのベストを尽くし、チャレンジを続けていきます」ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)「今季2回目のQ3進出を果たせてうれしいですが、今週末はトラブルが出ていて、Q2の2回目のアタックとQ3に影響が出たのは残念でした。チームが今晩対処してくれるので、明日は問題が解決されているはずです。パフォーマンス面で言えば、昨日はほとんど走行できなかったのに、予選で全力を出しきれたことに満足しています。厳しい戦いでしたが、最終的にはきちんとラップタイムを出せて、マシンの感触もなかなかよかったです。明日のレースでもうまくいくことを願っています」アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)「今日は語れることはあまりありません。望んでいた結果が出せず、フラストレーションがたまっているので、一度落ち着いて切り替えていく必要があります。いいラップタイムを出せませんでしたが、実はプラン通りにいかないことが多くありました。予選よりもFP3のほうがマシンの感触はよかったのですし、Q2ではトラフィックにつかまってしまい、全体的に厳しい一日でした。このコースでオーバーテイクするのは簡単ではないので、明日のレースで大幅にポジションを上げるには、雨が必要になるかもしれません」ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)「ここまでいい感触を得られず、厳しいレースウイークになっています。セットアップとマシンバランスに苦戦していて、タイヤをうまく機能させられていません。マシンがしっくりきていないので、どの方向性にすべきか、エンジニアとともに見極めていかなければなりません。ただ、一周のアタックでは苦しいものの、レースでのペースは引き出していけると思うので、明日を楽しみにしています」
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