ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、F1日本GPへの意気込みを語った。F1日本GPでは、ホンダはスペック4エンジンを使用するが、レッドブルのエンジンサプライヤーであるエクソンモービルの新燃料を投入。この燃料は本田技術研究所の先端技術研究所も開発に協力した新しい燃料になっていると明かした。
「2019年のレースを戦ってきて、ホンダとしてのホームレースに帰ってきました。今年、トロロッソに加え、レッドブルにも供給して、4台で戦ってきました。優勝も経験することもできました。まだまだメルセデス、フェラーリには差をつけられていて、特に直近の4戦ではフェラーリがパフォーマンスを上げてきています。そんな中でのホームレースでよい結果を出せるように全力で戦いたいと思っています」「PUに関してはベルギーに投入したスペック4で基本的には同じものです。その中で1つ新しい要素として入ってくるのが燃料。レッドブルとホンダは、エクソンモービルと仕事をしていますが、本田技術研究所の先端技術研究所からの助力を得て、我々のエンジンの燃焼にあったものを投入します」「以前は鈴鹿に向けて鈴鹿スペシャルを投入するという話もありましたが、今はレギュレーション上、それは難しい。そこで、新しい燃料を投入ということになった。チームメンバー一丸となって精一杯戦うという意味で、その意味では鈴鹿スペシャルになっています。ホンダにとっての鈴鹿スペシャルの意味をチームのみんなに理解していただき、エンジニア、メカニック強い思いで今週末を戦っていきたいです」「また、現在台風が近づいてきている状況で、避けようがない状況になっています。セッションが短くなってしまうことも想定されていますが、決勝は台風一過で行なえる見通しで、その前のセッションが短くなる分、密にセッティングを行ない備えていきたいです」「また、今回は明日のFP1で山本尚貴選手が走行します。日本の選手が日本でのグランプリで走ってくれることをうれしく思っています」本田技術研究所も協力した燃料について田辺豊治は「本田技術研究所の中に、二輪と四輪の将来の技術を研究している先進技術研究所という部署があり、いろいろなエキスパートがそこにいます」とコメント。「オールホンダでF1に取り組むという取り組みの中で、先進技術研究所の燃料を研究しているエキスパートにエクソンモービルさんとの共同開発の中に入ってもらい、燃料とオイルの開発を昨年から行なってきました」「ホンダにはモビリティも、ジェットも、クルマもあるという中で、先進技術研究所は将来どんな技術が必要かを研究しています。新しい燃料は素材も違い、レギュレーションで定められた範囲内で配合などを工夫しています」「これまでのMGU-Hやターボにジェットエンジンの開発技術を入れたというお話しをさせていただきましたが、それと同じような取り組みが燃料でも行なわれたとご理解いただければと思います」「詳細な数字は申し上げることはできませんが、パワーアップが認められたということで投入を決めました」