ホンダは、山本尚貴がF1日本GPのフリー走行に出走することで、彼自身の進化はもちろんのこと、後に続く若手ドライバーの大きな刺激になることを期待している。トロロッソとホンダF1は10月7日(月)、F1日本GPの金曜フリー走行1回目に山本尚貴がトロロッソ・ホンダ STR14で出走することを発表した。
今年、ホンダはトロロッソに加えてレッドブルにF1エンジンを供給。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがホンダのF1エンジンで2勝を挙げていることもあり、今年のF1日本GPでは1万席用意したホンダの応援席が完売し、チケット自体もソールドアウトに近づくなど、かつてない盛り上がりをみせている。そこに日本人ドライバーとしては2014年の小林可夢偉(ケータハム)以来となる山本尚貴の走行が加われば、興行的に大きな盛り上がることは間違いないだろう。ただし、母国グランプリで地元出身のドライバーがスポンサーの意向などで走ることは決して稀なことではない。ホンダのブランド・コミュニケーション本部長を務める森山克英は、山本尚貴が走ることで、若手ドライバーに大きな刺激を与えられればと語る。山本尚貴がグランプリ週末でのF1マシンのドライブすることについて森山克英は「今回、鈴鹿という舞台で、山本選手が現代のF1マシンをドライブする姿をファンの皆様にご覧いただけることを非常に嬉しく思っています」とコメント。「山本選手には、この経験を糧にさらに強いレーシングドライバーに進化していってくれることを期待していますし、日本のドライバーを代表してF1日本GPで大きな足跡を残すことで、後に続く若手ドライバーへの大きな 刺激となってくれればとも考えています」山本尚貴は「小さいころから自分の夢だったF1マシンを、鈴鹿という特別な舞台、そして日本人のファンの皆さんの前でドライブできることを本当にうれしく思っています」とコメント。「ここに来るまでに、F1のレース週末にトロロッソに帯同したり、レッドブルのファクトリーでシミュレーターに乗ったりと、いろいろな準備を重ねてきました。当日は、チームが予選と決勝でいい結果を残せるよう、有益なデータを集めることが私のメインの仕事になりますが、それと同時に自身のパフォーマンスを最大限に発揮できるよう努めたいと思います」「27年前の鈴鹿でF1を見たあの日からずっと憧れ続けてきたこの舞台で自身が走れる事に感謝をし、その夢の瞬間をファンの皆さんとともに楽しみたいと思っています」ホンダF1の育成ドライバーとしてF1参戦に期待がかかっているのは、今季FIA-F3に参戦する角田裕毅だ。レッドブルの育成ドライバーでもある角田裕毅は、今季、モンツァでのレース2で初優勝。今シーズンをランキング9位で終えた。ホンダF1の育成ドライバーとしては松下信治がカーリンから参戦しているが、4年目となる今年もランキング5位以内に入ることができていない。もうひとりのホンダF1の育成ドライバーである名取鉄平もCarlin Buzz RacingからFIA-F3に参戦しているが、ランキング24位と実力を発揮できなかった。角田裕毅は、来年、レッドブルとホンダのサポートでF2に昇格する可能性が報じられている。ホンダの若手にとっての第一の関門はスーラーライセンスポイントの取得となる。角田裕毅は、F2とF3のどちらのシリーズに参戦することになっても目標はF1スーパーライセンスポイントの獲得だと語る。「僕にとってはF2でもF3でも問題ありません。スーパーライセンスポイントを獲得することが重要です」と角田裕毅はコメント。「今年は学習の年になっています。ヨーロッパは初めてですし、トラックやレース週末も初めてでした。今ではすべてのサーキットを知っているので、来年はもっと良いレースができると思っています」
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