ホンダF1の“スペック3”エンジン導入以降のパフォーマンス向上は、フランスGP後に行われた“対策”によって支援された。レッドブル・ホンダのドライバーを務めるマックス・フェルスタッペンは、2回目のエンジンアップグレードとなる“スペック3”を導入したF1フランスGPのレース後、ホンダが以前のように保守的ではなくなったと語っていた。
レッドブル・ホンダは、F1フランスGPではそれほど競争力は示さなかったが、マックス・フェルスタッペンは暑いコンディションで行われた次戦オーストリアGPで初勝利。続くF1イギリスGPでは3位表彰台、F1ドイツGPで2勝目、F1ハンガリーGPでポールポジションを獲得して2位表彰台を獲得している。ホンダF1も“スペック3”エンジンからより多くのパフォーマンスを引き出そうとしていたことを認めているが、マネージングディレクターを務める山本雅史は、パワーユニトについてより多くのことを学んだで対策を講じたことが奏功したと説明する。「マックスがフランスとオーストリアを比較する理由は理解できます」と山本雅史は Autosport にコメント。「特に暑さによってカナダとフランスから多くのことを学ぶことができました。その後、オーストリアに行く前に対策を講じましたが、それが本当にうまくいきました」「マックスが特定の条件でエンジンをプッシュする方法を学んだと言っている理由はそれだと思います」オーストリアでのマックス・フェルスタッペンの勝利は、メルセデスの冷却問題に見舞われ、パフォーマンスを制限しなければならなかったレースで獲得された。ホンダの対策は、マックス・フェルスタッペンがフェラーリのシャルル・ルクレールに勝利するために必要なものをすべて持っていることを意味した。F1ドイツGPでは、マックス・フェルスタッペンは、レッドブル・ホンダがフェラーリを上回って2番目に速いチームであり、不完全な予選でなければ、実力でメルセデスを上回ることができたと考えていた。ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、オーストリアGPでもエンジンを調整していたと語る。「フランスで学んだ後、我々はオーストリアでのエンジンの使い方を改善しました」と田辺豊治はコメント。「その後、オーストリアでも学び、ドイツにむけて改善しました。すべてを最適化しようと務めました」「初めてエンジンが導入されたときは完璧ではありません。異なるコンディションであり、アップデートのたびにそのような経験の後によってキャリブレーションや使用法も異なってくるからです」ホンダのスペック3エンジンは、昨年導入したMGU-Hと同じくジェットエンジンの専門知識から恩恵を受ける有望な新しいターボチャージャーを備えている。その技術はより高いパフォーマンスレベルで動作しながら、強い信頼性を求めるホンダの探求において重要となっている。「低いパフォーマンスでは実行できますが、信頼性の問題は大きなペナルティを与えるため、実行できません。そのため、常にパフォーマンスと信頼性のバランスを取る必要があります」「私の観点では、まず一定レベルの信頼性を保証する必要があります。そのあとでパフォーマンスを開始する必要があります。そうでなければ、走らせることはできません。それはトラックサイドに非常に深刻な問題をもたらします」