ホンダは、レッドブル・レーシングとスクデーリア・トロ・ロッソとともに2019年のF1世界選手権 第12戦 ハンガリーGPに挑む。前戦F1ドイツGPでは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝、トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトが3位表彰台を獲得。ホンダF1として1992年以来のダブル表彰台という偉業を達成した。
次戦F1ハンガリーGPが開催されるハンガロリンクはパワーユニットのドライバビリティが求められるテクニカルなサーキット。レッドブル、トロロッソともに得意としてきたサーキットであり、ダブル表彰台のいい流れをもってレースに週末に挑む。田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「先週末に行われたドイツGPでは、レッドブル・ホンダとの2勝目、そしてトロロッソと初の表彰台を獲得することができ、ホンダにとって特別なレースになりました。レース後のつかの間、両チームのメンバーと喜びを分かち合い、我々は慌しく今週末に迫るハンガリーへ向かい、準備に入っています。ハンガリーGPが行われるハンガロリンクは、ブタペスト郊外の丘陵地帯にあるためアップダウンのあるコースレイアウトが楽しめます。平均車速が低いことから低速コースに分類されますが、低速コーナーのみならず中高速コーナーも備えるテクニカル サーキットです。エンジンパワーのラップタイム感度は低い部類に入りますが、低速コーナーからの立ち上がりなどPUにはドライバビリティーが求められます。ハンガリーGPは、例年夏場に行われ気温も湿度も高いレースになりクーリングが課題の一つとなりますが、今年ここまで経験した高外気温度で得たデータを活かしていきたいと思います。ここは、2006年にバトン選手とともに勝利を手にしたサーキットで、私自身にとってもいい思い出がある場所です。F1の夏休み前、最後となる一戦にダブル表彰台のいい流れを持って臨みたいと思います。今週末も応援よろしくお願いいたします」マックス・フェルスタッペン (レッドブル・ホンダ)「ハンガロリンクは好きなコースで、今年も走れるのを楽しみにしている。かなりのテクニカルサーキットで、(コーナーの頂点である)エイペックスにきっちりとつけないとタイムが伸びない。大きなマシンで狭いコースを走るのは窮屈に思うかもしれないけど、楽しさは全く損なわれいない。高速右コーナーのターン11は特に気に入っていて、うまく走れると本当に気持ちいい。最終コーナーは、その後に控えるロングストレートに向けて、スピードを保ったまま立ち上がることがとても重要だ。また、ブダペストの街はとても美しく、夜に出かける場所もたくさんある。チーム全員が、毎年このグランプリを楽しみにしているし、最も気温が高くなるレースの一つなので、僕らには合っているはずだ。ドイツでは大荒れの展開で、僕にとっては最も難しいレースの一つだったが、勝てて最高の気分だった。全員が連携して動き、ピットクルーが作業時間の世界記録を塗り替えたのも素晴らしい成果だ。メカニックたちは計9回もピットストップをした中での記録なので、なおさらだ。さあ、ハンガリーに向かおう。夏休み前に全力を出しきるよ!」ピエール・ガスリー (レッドブル・ホンダ)「ブダペストは、とても気に入っているサーキットの一つだ。その理由はいろいろあるけど、第一に、僕はハンガロリンクのようなタイトでコーナーの多いテクニカルなコースが好きなんだ。また、昨年のトロロッソでは、僕にとってはシーズン2番目の好結果となる6位入賞を果たした。そのほかにも、GP2やフォーミュラ・ルノー3.5や2.0で、優勝はもちろんポールポジション獲得など多くの成績を残している。僕はこの街に旅行で来たこともあるけど、温暖な気候が好きなので、素晴らしい雰囲気だと感じた。街の空気もいいし、コースではエキサイティングなレースが待っている。ハンガロリンクは、レッドブルがいつも強さを発揮してきたサーキットだから、今年もそれが続いてくれることを願っている。ドイツではポイント獲得のチャンスがあったのに完走できずに残念な結果だったが、集中を切らさず進む。僕ももうすぐで結果が出せると思っている」ダニール・クビアト (トロロッソ・ホンダ)「前回のドイツでのレースは3年ぶりに表彰台に乗ることができて、素晴らしい経験になった。レースまでは決して簡単なレースウイークではなく、予選も苦戦したことで日曜は厳しくなるだろうと思っていたので、喜びもひとしおだった。娘が生まれた週にレースでは表彰台に立つなんて、なんだか不思議な気持ちになった。水曜日には、夏休み前最後のレースとなるハンガリーへ向かう。ハンガロリンクは好きなコースで、バリアのないモナコと言われるように低速コーナーが多く、独特で面白いサーキットだ。ただ、中高速コーナーもあり、単純な低速サーキットとも言い切れない。ここでは、2015年に僕のベストリザルトである2位フィニッシュを果たしているけど、今では遠い昔のことのように感じる。例年、ここはトロロッソにとって相性のいいサーキットなので、いいマシンバランスを見つけて、今年もいい結果を出せればと思っている。コースはドライブしていて楽しいけど、レースでは、遅いクルマに引っかかると、オーバーテイクが難しいサーキットだけに戦略の変更が必要になるなど厳しい状況に陥る。ハンガリーでは、7月が最も気温が高く、コクピットの中も暑くなるので、体力的にも厳しい。しかも、ストレートはほぼないので、“休憩”する時間は取れない」アレクサンダー・アルボン (トロロッソ・ホンダ)「ハンガロリンクはとても難しいサーキットで、本当の『ドライバーズサーキット』と言える。クラシックなレイアウトで、フィジカルにも厳しいし、ゆっくり息を吸うことができるストレートもない。僕自身のここでのレースを振り返ると、ポジティブとネガティブの両面があるけど、ハイライトは2016年のGP3のスプリントレースと、昨年のF2のスプリントレースでの勝利だったと思う。ここではオーバーテイクが難しいので、集団の中でレースを展開するのは非常にストレスがたまる。だから、予選でいい結果を出すことを第一に考えなければならない。まずは土曜にいい結果を残すことが最初の目標になる。トロロッソはこのサーキットを伝統的に得意としてきており、それはポジティブなことだし、今年もいい成績を残したい。チームとして素晴らしい結果を残したドイツGPのあと、僕自身、少しで...