山本尚貴が、F1ドイツGPが開催されるホッケンハイムでトロロッソ・ホンダのトラックウォークに参加した。レッドブルとトロロッソにF1エンジンを供給するホンダは、山本尚貴を金曜フリー走行に出走させるために協議を重ねており、F1日本GPでフリー走行1回目にトロロッソのF1マシンを走らせるのではないかと噂されている。
ホンダは2015年にF1復帰したが、公式セッションでF1マシンを走らせた日本人ドライバーは2017年のハンガリーテストでザウバーからテストに参加した松下信治のみ。ホンダの育成ドライバーには、F2に参戦する松下信治、F3に参戦する角田裕毅と名取鉄平、日本でスーパーフォーミュラに参戦する福住仁嶺と牧野任祐がいるが、どのドライバーもF1参戦に必要なスーパーライセンスポイントを満たすことができていない。山本尚貴は2016年に3ポイント(スーパーフォーミュラ:7位)、2017年に3ポイント(スーパーフォーミュラ:9位、SUPER GT:7位)に加え、2018年にスーパーフォーミュラとSUPER GTの国内2冠で35ポイントを追加し、合計で41ポイントとF1のスーパーライセンスポイント基準を満たしている。ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は、現在の育成ドライバーの状況について「彼らはチャンピオンシップを獲得するか、良い結果を出さない限り、F1にいることはできません」と Autosport にコメント。「スーパーフォーミュラには何人かドライバーがいます。山本尚貴はチャンピオンシップをリードしています」「現在のF1のトレンドを考えれば、彼は少し年齢が高いです。昔は問題なかったんですけどね! 現在の状況には適さないかもしれませんが、彼を含め、シーズンのどこかでFP1に誰かを出走させたいと思っています」「我々はその機会についてレッドブルおよびトロロッソと議論を続けています」今週末のF1ドイツGPに向けて水曜日からトラックウォークなどの作業が始まったが、トロロッソ・ホンダはTwitterで「スーパーフォーミュラとSUPER GTの現役チャンピオンである山本尚貴がF1のコツを学ぶため、今週末我々に加わった」と伝えた。山本尚貴は、昨年のF1アブダビGPでもトロロッソ・ホンダのガレージからグランプリを視察しており、報道が出たこのタイミングでの今週末のF1ドイツGPの訪問では金曜フリー走行出走にむけて何らかの進展がみられるかもしれない。