ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、メルセデスとフェラーリに対するギャップは縮まっていると感じているが、過去2戦で示したほど近づいているかは“簡単に答えを出すことはできない”と語る。レッドブル・ホンダは、先月のF1オーストリアGPでマックス・フェルスタッペンがパートナーシップに初勝利をもたらしている。
先週末のF1イギリスGPでも表彰台は確実と思われたが、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に追突されてことでそのチャンスは潰えた。また、2位でフィニッシュしたモナコGPではピットレーンでの接触事故によるタイム加算ペナルティによってトップ3フィニッシュを逃しており、10戦を終えてまだ表彰台は50%に満たない。メルセデスはここまでの全戦、フェラーリも10戦中8戦で表彰台を獲得しているが、マックス・フェルスタッペンはより定期的に上位2チームの脅威になりつつある。また、レッドブル・ホンダは予選でのパフォーマンスも改善しており、マックス・フェルスタッペンはシルバーストンでターボラグの問題がなければポールポジションを争えたと語っている。ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、シルバーストンでメルセデスとフェラーリのペースに近づけたことに驚いてはいるが、レッドブル・ホンダのパッケージはメルセデスからそこまで離されてはいないことを示唆している可能性があると述べた。「そうかもしれません。ですが、どのコーナーやストレートでもっと良いラップタイムやスピードを発揮できたかを理解する必要があります」と田辺豊治は Autosport にコメント。「そうすれば、ここで何が良かったのか、何が悪かったのか、過去7~8戦でどの部分が遅れをとっていたのかを分析できるかもしれません」「簡単に語れることではありません。これまでのレースと比較してギャップは縮まっているように見えます。レースだけでなく、予選でもそうです。ですが、まだ簡単に答えは出せていません」レッドブルとホンダは、シャシーとエンジンでそれぞれ改善を果たしている。レッドブルはF1オーストリアGPで改良版のフロントウイングを投入。これによってRB15の全体的なグリップとバランスが改選され、マックス・フェルスタッペンはよりアグレッシブなドライビングができるようになった。F1イギリスGPで発生したターボラグの問題は、マシンの改善によるスロットルの使用方法に起因すると考えられている。レッドブルのF1チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは「我々は間違いなくクルマのポテンシャルを解放している」とコメント。「クルマはこのサーキット(シルバストーン)で非常にうまく機能していた。高速と低速は競争力があった」「マックスはポールタイムに近づいた。ラグの問題がなければ、彼はさらに近づいただろう」「それにレースでは彼は99%をフェラーリの後ろで身動きが取れずに走行していたので、本来のペースを示せなかった」ホンダもF1エンジンで進歩を遂げており、F1フランスGPで投入されたスペック3エンジンはわずかではあるがパワー増加を示している。「昨年の初レースと比較して新スペックの出発点はそれほど悪くありませんでした」と田辺豊治はコメント。「それは昨年から多くのことを学んだこと、そして、最初の走行からキャリブレーションの質が向上したことを意味しています。まだレース後にコース上で学ぶべるエリアがあります」「プラクティスでの状況や実際のレース状況で、パフォーマンスを向上させることができる小さなこと学ぶことができました。フランス、オーストリア、イギリスで、我々は改善を果たしています」