ホンダは、レッドブル・レーシングとスクデーリア・トロ・ロッソとともに2019年のF1世界選手権 第10戦 イギリスGPに挑む。前戦オーストリアGPでは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝。ホンダにとって2015年のF1復帰以降初、通算では2006年8月のハンガリーグランプリ以来13年ぶりの優勝となった。
シルバーストン周辺は、“モータースポーツビレッジ”とも呼ばれるほど、多くのチームやマニュファクチャラーの施設がひしめくエリア。ホンダとレッドブル・レーシングも、シルバーストンからクルマで40分ほどのミルトン・キーンズに拠点を構えており、ともにホームレースのような感覚で臨む。F1世界選手権がスタートした1950年からカレンダーに組み込まれているが、その存在感は全く色あせていない。F1開催地の中でもサーキットの全長が長い部類に入るが、コースには高速コーナーが複数配置され、ドライバーも観衆もF1マシンの走りを楽しむ。また、平均車速の高いコースゆえにパワーが重要。不安定な天候もレースを左右する要因の一つで、柔軟な対応力があるかも試される。田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「先日のオーストリアでのレースは、我々Hondaにとってマイルストーンとなるものでした。ファクトリーの仲間たちや家族とのつかの間の喜びの時間を経て、次はイギリスGPに臨みます。イギリスには多くのチームが拠点を構えていますが、Aston Martin Red Bull Racingもその一つです。 彼らにとってはオーストリアに続いてホームレースとなります。また、我々HondaもRed Bullと同じミルトン・キーンズにファクトリーがあり、多くの同僚や家族がシルバーストンに応援に訪れてくれる予定です。Toro Rossoも近郊のビスターに風洞設備を持っていますので、Red Bull、Toro Rosso、Hondaメンバーみんなのレースに向けたモチベーションが高まっています。シルバーストンはF1カレンダーの中でも伝統あるサーキットの一つで、ドライバー、ファンの双方に人気のあるトラックです。マゴッツ、ベケッツ、チャペルの複合コーナーのあとにハンガーストレートが続く高速セクションが有名ですが、タイトコーナーなどテクニカルセクションも配置されています。オーストリアでの勢いを保ちつつ、入念な準備とともにレースに向かいます」アレクサンダー・アルボン (トロロッソ・ホンダ)「僕は英国に住んでいるので、今週は移動距離が少なくて済みます。オーストリアGPまでの2戦は厳しい戦いでした。特に前戦はPU交換によるペナルティーで後方グリッドからのスタートになることが分かっていたので、プラクティスへの入り方を変えました。その前のフランスGPでは期待通りの動きにならなかったので、マシンの理解をさらに深めようと取り組んだのです。オーストリアでは、マシンのポテンシャルを引き出そうとしましたが、影響範囲は小さいながら、ポールリカールのときと同じような課題に直面しました。イギリスGPでは、ペナルティーなしに予選順位通りにスタートできる予定ですし、この2戦で得られた多くのデータを解析した上で臨めるので、中団での僅差の戦いに加われればと思います。シルバーストンは、あまり走ったことのないサーキットで、過去にレースをしたのは4回だけだと思います。大好きなサーキットで、昨年のF2レース1で優勝したのもいい思い出です。そして、忘れかけていましたが、GP3でもポールトゥウインを果たしています。僕はF1マシンをシルバーストンで走らせたことがありませんが、どのドライバーもシルバーストンが大好きで、現代の素晴らしいマシンが、高速コースで高いダウンフォースを活用して生き生きと走れるコースだと思います。マゴッツからベケッツにかけての区間は楽しくて、F1マシンで走ったらジェットコースターに乗っているような感覚になるはずです。すべてのコーナーの抜け方がその次へと影響するので、いいリズムで走れれば心から楽しめます。また、パワー感度が高いサーキットでもあるので、ダウンフォースが重要ですし、まずは金曜日がどうなるか様子を見て、週末の作戦を決めなければなりません。週末が本当に楽しみです。ミルトン・キーンズにある僕の家からはクルマで25分しかかかりません。ただ、渋滞がすごいので、僕はホテルに泊まると思います(笑)家族もみんな観戦に来てくれますし、英国のファンはモータースポーツに熱狂的ですから、特別なレースになるはずです」ダニール・クビアト (トロロッソ・ホンダ)「今週末のイギリスGPまでの、フランス、オーストリアと続いた2レースでは苦戦したと言うべきでしょう。タイプの異なるサーキットでしたが、どちらも全体的なペース不足に苦しみました。僕らにとってはあまり相性がよくなかったので、その理由を解明しようとしているところです。僕らだけでなく、今年はあるサーキットは特定のチームに向いているけれど、ほかのチームにとってはそうではないというケースがよく見られます。とはいえ、僕らと争うチームで進歩しているところもあるので、挽回してどのレースでも力を発揮できるように一生懸命に取り組んでいます。オーストリアを終えてから、シミュレーターに乗り、過去のレースでどうすればよかったのか、夏休み前のグランプリでなにができるかを理解しようとしているので、もっと強くなれればと思っています。ほかのドライバーと同じように、僕もシルバーストンが大好きです。伝統的なサーキットですが、F1マシンの能力を最大限に引き出して楽しめるコースです。高速コーナーでダウンフォースをフルに活かして走るのは、素晴らしい感覚なんです。今年は全体的なスピードも上がるはずなので、かなり特別な戦いになるでしょう。こうしたサーキットを走ると、ここまで首の筋肉のトレーニングをしてきたかいがあったと思えますしね!このコースは体力的にとても厳しいのですが、この時期の英国はそこまで気温が上がりません。そして、不確定要素として、コース全体の再舗装があります。金曜日にこれまでとどう違うのか、新しい路面はどんな感じなのかを探るのは興味深い仕事になります。ここの高速コーナーでは、タイヤの横方向への負荷がとても高くなるので、路面状況は非常に大切な要素です。イギリスGPのような伝統あるレースは、多くの観衆が集まり、素晴らしい雰囲気になるので好きです。シルバーストンは、僕が2013年にToro Rossoで初めてF1マシンを走らせたコースでもありま...
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