F1オーストリアGPでのレッドブル・ホンダの優勝は、ホンダが2020年以降もF1を継続するかという協議において重要な意味をもたらすものになるかもしれない。レッドブル・リンクでのマックス・フェルスタッペンに勝利によって、2006年から続いていたホンダの未勝利に終止符が打たれた。そして、それは2015年にマクラーレンとF1に復帰して以来の初勝利となる。
レッドブルは、以前のパートナーであるルノーとのフラストレーションを抱えた期間の後、ホンダとともに明らかに進歩の兆しをみせているが、ホンダが長期的にF1にコミットするかどうかには大きな疑問符が出ている。シーズン開幕前、ホンダはレッドブルと成功することがF1での将来にとって重要であることを明らかにしていたが、ホンダにとっては2021年に導入される新しいレギュレーションという問題もある。当初、2021年のエンジンレギュレーションは大幅な見直しが計画されていたが、メーカー間での合意によって撤廃された。つまり、今後数年はターボハイブリッドのコンセプトは大きな改革を起こさずに洗練されることになる。だが、ホンダは他の自動車メーカーと同じように市販車ビジネス面で電気自動車への移行というプレッシャーがかかったおり、ホンダは2021年のパワーユニットに必要な投資が正当かどうかを評価している。ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は、ホンダがF1にコミットするためにはそこに成功のチャンスがある必要があると Autosport に語った。新しいレギュレーションはホンダの決定にどのように影響するかと質問された山本雅史は「多少関係はあります」とコメント。「もちろん、レースがどのようなものになるかはわかりませんし、新しいレギュレーションによって不利になる可能性があります。なので、もちろん関係はあります」山本雅史は「F1はモータースポーツのトップカテゴリーです」と続ける。「テクノロジーの頂点を含めたカテゴリーである必要があります。それがF1のための需要です」2021年のレギュレーション議論されるなか、F1オーストリアGPには本田技研工業の副社長を務める倉石誠司を含む上級管理職が訪れ、レッドブルの上層部とミーティングを行った。レッドブルのF1チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、2020年以降にホンダがどうしていくかについて話し合ったが、まだ明確なことは何も示されていないとオープンに語る。「一日中議論があった。そして、ここにホンダからの何名かの幹部がい来ている」とクリスチャン・ホーナーはレース後に語った。「しかし、ハイブリッド時代にホンダが初勝利を副社長がここで目にしたことは素晴らしいことだった」「素晴らしいパフォーマンスだったし、彼らはそれを非常に楽しんでいた」勝利がホンダの将来を守ることに役立つかどうかと質問されたクリスチャン・ホーナーは「エンジンが安定した規制によって収束しているかなで、今日のような日は助けになるだけだと思っている」と語った。F1プロジェクトについて重要な会議が予定されているなかで、ホンダのハイブリッド時代における初勝利はまたとないタイミングだったと言える。最終的な決定はもちろん日本の経営陣にかかっているが、取締役会がこのような大きな決断を迫られているなかでの勝利にホンダの社長である八郷隆弘もポジティブなコメントを残している。「ついにF1での優勝を果たすことができました。2015年の復帰以降の道のりを考えると、大変感慨深く、また心からの喜びを感じています。まず、勝利を勝ち取ったマックス・フェルスタッペン選手とAston Martin Red Bull Racingに感謝いたします。また、これまでHondaのF1プロジェクトに対し多大なるサポートを頂いた各ドライバーやScudeiria Toro Rossoは言うまでもなく、サプライヤー様や関係者の皆様も含め、支えてくださったすべての方々に、御礼を申し上げます」と八郷隆弘はコメント。「そして、どんなときも熱い応援を送ってくださるファンの皆様へ、心からの感謝をお伝えしたいです。皆様の応援は、夢に向かって走る私たちを力強く後押ししてくれるエネルギーです。これからも皆様とともに挑戦し、喜びを共有したい、そう考えています」「HondaにとってF1は創業者の夢であり、大切なDNAの一つです。この5年間、開発やレースの現場では、数多くの困難に直面してきました。自分たちの力を信じ、諦めずに走り続けてきた従業員たちの努力がこうして実を結んだことを考えると、万感の想いです。私たちHondaの”The Power of Dreams”を一つ、体現することができました。今日の勝利を第一歩として、最終目標であるシリーズチャンピオンを目指し、私たちはさらに一丸となってチャレンジを続けていきます。これからも引き続きご声援のほど、よろしくお願いいたします」
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