ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介が、F1シンガポールGPでのマクラーレン・ホンダの決勝レースを振り返った。雨でスタートした波乱のレースで、マクラーレン・ホンダはストフェル・バンドーンが7位でフィニッシュ。フェルナンド・アロンソは好スタートを切ったものの、1周目の事故に巻き込まれた際のダメージが原因でレースをリタイアした。
「スタート直前に降り出した雨により、波乱のレースになりました」と長谷川祐介はコメント。「フェルナンドはいいスタートを決めたものの、スタートの混乱に巻き込まれ、マシンに大きくダメージを負いました。クラッシュに巻き込まれなければ上位を走行できていたと思いますし、今週は速さがあったので、ダメージの影響により早々にレースを終えなければならないことはたいへん残念でした」「一方でストフェルは、スタート時の混乱をうまくすり抜け、入賞圏内でレースを続けました。いいペースを維持しながら、オーバーテイクが難しいこのサーキットで前のマシンを抜いたことや、タフなレースをキャリア最高の7位で走りきったことはすばらしかったです」「不運がなければ、両ドライバーともにもっといい結果を残せるポテンシャルはあったと思うと残念な部分もありますが、貴重なポイントを獲得してくれたことは、チームにとってポジティブな一歩になりました」マクラーレン・ホンダのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは「スタート直前に雨が降り出したとき、今日のシンガポールGPはエキサイティングで予測不可能なレースになるだろうと思ったが、まさにその通りになった」とコメント。「そんな中、ストフェルはフルウエット、インターミディエイト、オプションのどのタイヤで走っているときも、常に戦いに挑み、マシンのポテンシャルを最大限に引き出し、7位入賞という見事な結果を出した」「2回目のピットストップで出遅れなければ、6位も手が届く範囲だったと思う。ただフロントジャッキがうまく入らなかったために、左側のフロントホイールがフロアからちゃんと上がらず、タイヤを取り外すのに時間がかかってしまった。そこで出遅れたため、ストフェルは果敢な走りでジョリオン・パーマーに追従していたものの、結局、差を埋めることはできなかった」「一方、フェルナンドにとっては、非常に残念な一日だった。ウエットコンディションで見事なスタートを切ったにもかかわらず、1コーナーでマックス・フェルスタッペンのマシンと激しく衝突した。あまにも大きな衝撃だったため、マシンのボディが引き裂かれ、フロアに損傷を負い、最終的にはエグゾーストに穴が開くほどだった」「セーフティカーの後方でフェルナンドがピットを通過した際に、最初に受けたダメージを確認することができた。実際のレーススピードになると、レースを続行できない状態だということがすぐに明らかになり、その直後にマシンをリタイアさせなければならなかった」「自分たちのミスではないところで1台のマシンを完走させられなかったものの、今日はチーム全体にとってポジティブな一日だった。マレーシアの高速コーナーでは、今回ほどの競争力はないかもしれない。それでも今日の結果は、少しでもチャンスが訪れた際には、我々も上位でハードなレースが展開できるということを思い出させてくれるだろう」関連:F1シンガポールGP 結果:ルイス・ハミルトンが波乱のレースで今季7勝目