ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介は、計画ではF1ベルギーGPに“スペック4”パワーユニットを導入する予定だったが、開発スケジュールの遅れによって実現しなかったことを明らかにした。ホンダは、パフォーマンスを向上してマクラーレンに2018年のパートナーシップ継続を納得させるために積極的な開発計画を進めている。
ホンダは、F1ベルギーGPでフェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンの両マシンにアップデート版の内燃エンジンを投入しており、ストフェル・バンドーンには信頼性が改善されたエレメントが導入されている。しかし、長谷川祐介は今回導入した“スペック3.5”“スペック3.6”アップデートは、F1ベルギーGPで導入したいと考えていたパッケージの半部に過ぎないことを明らかにした。「我々はここで“スペック4”を導入する予定でしたが、できませんでした。スケジュールが合いませんでした」と長谷川祐介はコメント。「アップグレードの途中なので、我々はそれを3.5と3.6と呼んでいます」ホンダは、アップグレードによってパフォーマンスに進歩が見られたと感じているが、今回初めて走らせたため、ゲインを定量化するのは難しいと長谷川祐介は語る。「サーキットが異なるので、前回のエンジンと今回のエンジンを比較するのは難しいです」と長谷川祐介はコメント。「データの観点から見れば、ここではパフォーマンスの良いアップデートが確認できています」マクラーレンのエグゼクティヴディレクターを務めるザク・ブラウンは、マクラーレン・ホンダはスパで一歩前進を果たしたとしつつも、現在コンストラクターズ選手権9位に沈んでいることを考えれば、もっと多くを望んでいたことを認める。「我々は一年中満足することはないと思うし、長谷川も状況には満足していないと思う」とザク・ブラウンはコメント。「ここスパではいくらか改善が見られている。我々が期待しているレベルには達していないが、それでも改善はしている」マクラーレン・ホンダは、夏休み前のF1ハンガリーGPでフェルナンド・アロンソが6位、ストフェル・バンドーンが10位とダブル入賞。今シーズンで最高のレースとなった。長谷川祐介は、ホンダとしてその結果を出せたことには安心したが、ライバルに匹敵するにはまだ多くの仕事があると語る。「ハンガリーではとてもハッピーでした。ポイントを獲得でき、とても安心しました」と長谷川祐介はコメント。「しかし、満足できるパフォーマンスではありません。我々が達成する必要のある最低限のパフォーマンスです」「マクラーレンを納得させるためには我々にはまだエンジンパフォーマンスをアップデートさせる必要があります」