ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介は、ホンダが“スペック4”パワーユニットを開発しており、アップグレードされたパワーユニットによって先頭と行くライバルとのギャップを縮められると自信を見せている。マクラーレン・ホンダは、F1イギリスGPでストフェル・バンドーンが11位でフィニッシュして今季初ポイントを逃し、フェルナンド・アロンソは燃料システムのトラブルでリタイアというフラストレーションの溜まるレースとなった。
両方のドライバーは、シルバーストンで“スペック3”パワーユニットを搭載。F1アゼルバイジャンGPのフリー走行で投入された“スペック3”は30馬力の改善を果たしたと言われている。F1復帰から3年目となる今年、ホンダはエンジンコンセプトを一新。しかし、プレシーズンテストから信頼性に大きな欠陥がみられ、マクラーレンとホンダのパートナーシップが絶えず噂されている。今シーズンからF1パワーユニット開発の“トークン”システムが廃止となり、ホンダは開発アップグレードに集中してきた。ライバルに対してペース面で遅れをとっているホンダだが、長谷川祐介は、最新のアップグレードによってトップメーカーとパフォーマンス差を縮められると自信をみせている。「アップグレードをもたらすときは興奮しています。ポイント獲得やそれに類似した期待を増大させることができますからね」と長谷川祐介はコメント。「ですが、それでもメルセデスやフェラーリのレベルに追いつくには他のアップデートからもっと多くのパフォーマンスを必要としています」「その点で言えば、我々は上位勢とのそのようなギャップを縮められると確信しています。我々の開発スピードは良好です。ですが、同時に達成しなければならない目標があるので、フォロワーにとってそれは当然のことでもあります」ホンダが取り組んでいる“スペック4”が2017年シーズン中に導入されるかどうかはまだ確認されていないが、長谷川祐介は新しいコンセプトで1年の経験を積んだことで、以前の努力の成果よりも力強いパフォーマンスを見い出せると感じている。「我々が発展を止めることはありませんし、我々はアップデートし続けていく必要があります」と長谷川祐介はコメント。「もちろん、最も重要なことはパフォーマンスと結果です。ですが、すべて将来にむけての学習でもあります。昨年と比較して、我々はエンジンコンセプトを修正する必要がありましたが、来年は同じコンセプトを保っていきます」「今年の開発と改善が直接来年に繋がっていきますので、同じコンセプトを使えるのは良いことです。それは我々が現在の開発を止める必要がないことを意味します。その点で言えば、我々はすでに来年の設計を開始しています」長谷川祐介は、2018年にむけてポジティブな展望を見据えているが、来年もマクラーレンとのパートナーシップを継続するかは不確実となっており、情報筋によるとザウバーとホンダの契約が実現する可能性も50%だとされている。