ホンダは、F1ブラジルGPの決勝レースで、ジェンソン・バトンが13位、ルーベンス・バリチェロは15位完走だった。ホンダの苦しい1年が終わった。ホンダは、ドライタイヤへの変更など、先手先手で攻めのレースを行い、終盤の雨ではエクストリームウェットを装着するギャンブルに出たが、残念ながら雨はそこまで強く降ることはなかった。ホンダが2008年に獲得したポイントは14ポイント。フォース・インディアには勝ったが全体で9位という不本意な結果に終わった。
シーズンの中盤から2008年に見切りをつけ、2009年の開発に焦点を合わせてきたホンダ。レギュレーションが大きく変わり、ロス・ブロウン体制の2年目となる来年こそが勝負の年となるだろう。ジェンソン・バトン (13位)「スタートは良く、最初のいくつかのコーナーで3つポジションを上げた。しかし、そこからはトラフィックにつかまって苦戦した。異例のタイミングでピットから呼ばれ、早めにピットストップを行い、トラフィックから抜け出すために3ストップ作戦に切り替えた。トラフィックから抜けたときには、マシンのパフォーマンスは悪くなかったが、残念ながら戦略がうまく働かなかった。その後、レースの終盤にウエットタイヤに変えるためもう一度ピットストップが必要となり、エキストリームウエットに切り替えたが、うまくいかなかった。この週末、フラストレーションの残るシーズンが終わったわけだが、僕らはそれに耐え、最後のレースまでモチベーションをキープしたことを誇りに思う。」ルーベンス・バリチェロ (15位)「荒れたレースで、今日の結果には天候が非常に大きな影響を与えた。僕らにとって、マシンパフォーマンスの面で非常に戦闘力を発揮できたレースで、最後のピットストップまでトップ10のすぐ後ろを走っていた。レース終了間際に雨が降ってきたとき、強い雨になった場合を考えてエキストリームウエットに換えるという賭けに出た。しかし、それはうまくいかず、タイヤが完全にオーバーヒートし、3周後に再びピットストップを強いられたときには、いくつかポジションを落としてしまった。僕らは今年、常にマシンから最大限のパフォーマンスを引き出そうと努力し、その成果により、シルバーストンでは表彰台に上ることができた。難しいシーズンに、常に前を向いて努力し続けたチームのみんなに、ありがとうを言いたい。」ロス・ブロウン チームプリンシパル「レース直前に降ってきた突然の雨が、例のごとくこのサーキットでの戦いをエキサイティングなものにした。遅れてレースがスタートしたときに、われわれはスタンダードウエットを選んでいたが、それは正しい選択だった。コンディションが良くなり、われわれは他チームより早めにドライタイヤに換え、それによって両ドライバーはポジションを上げることができた。続くラップで両マシンは並んで走行しており、2台ともトラフィックにひっかかっていたので、ジェンソンとルーベンスの戦略をわけることにし、ジェンソンは早めのピットストップを行い、ルーベンスは走行を続けた。この戦略は、その後レースが進むにつれ、結果としてルーベンスのほうに有利に働いた。レースの終盤に雨が降り出し、両ドライバーをピットに入れエキストリームウエットに換えた。ひどい雨になることを期待して大きな賭けに出たが、うまくいっていればポジションをさらにあげることができただろう。残念なことに、雨は期待したほどにはならず、他のすべてのマシンが選んでいたスタンダードウエットが範疇だった。しかしながら、われわれの位置からすれば、リスクを冒す価値はあった。今日、われわれは厳しい一年の最後の1ページを終え、これからすべての力を2009年に向けて集中させていく。最後に、ドライバーズチャンピオンシップを勝ち取ったルイス•ハミルトンと、コンストラクターズタイトルをキープしたフェラーリを祝福する。今年は非常にエキサイティングなシーズンであり、今日のレースはファンタスティックなチャンピオンシップ争いのフィナーレを飾るのにふさわしいものだった。」