ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、F1のレギュレーションを巡る議論において、ドライバーの影響力が極めて限定的であるとの見解を示した。安全性やレース内容への懸念が高まる中で予定されているFIAの会合についても、大きな変化にはつながらない可能性があると懐疑的な姿勢を見せている。FIAとF1は4月に新レギュレーションの見直しを行う予定だが、エネルギーマネジメントやレースの質に関する批判が強まる中でも、実効性のある改善が行われるかは不透明な状況となっている。
ハミルトンは今回の会合について率直な見方を示した。「正直なところ、あまり期待していない」とルイス・ハミルトンは語った。「ただ、大きな変更が行われることは願っている」ハミルトンの懐疑的な姿勢の背景には、意思決定プロセスにおけるドライバーの関与の少なさがある。「ドライバーには発言権がない」「僕たちには何の力もない。委員会にも入っていないし、投票権もない」さらにハミルトンは、議論の構造そのものが結論を難しくしている可能性にも言及した。「関係者が多すぎる。そういう状況では、良い結果になることはあまりない」今回の見直しは、現在のレース内容に対する不満が高まる中で実施される。予選でのリフト・アンド・コーストや、決勝でのバッテリー使用のばらつきによって、パフォーマンスの不安定さや“人工的なオーバーテイク”が問題視されている。懸念はF1日本GPでさらに強まった。オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)は、スプーンカーブ進入で減速していたフランコ・コラピント(アルピーヌ)を避けようとしてクラッシュを喫した。このインシデントはエネルギー運用の違いによって最大50km/hもの速度差が生じる可能性を示し、安全面での問題を浮き彫りにした。ベアマンは大きな負傷を免れたものの、この事故を受けてレギュレーションへの批判はさらに強まり、FIAはチームや関係者との議論を前倒しで進めることとなった。ハミルトンは現状のパフォーマンス差についても言及し、パワーユニットの特性に不確定要素が多いと指摘した。「明らかにパフォーマンスの面では、僕たちはメルセデスのエンジンに大きく左右されている」「それが何なのかはまだ分からない。ターボが大きいのか、クランクパワーがあるのか、それとも別の要因なのか。いずれ分かるだろう」「僕たちはそれを解明して、もっと努力しなければならない」同様の懸念は他のドライバーからも上がっている。グランプリ・ドライバーズ・アソシエーションのディレクターを務めるカルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)は、チーム側の意見が優先される構造に警鐘を鳴らした。「チームの意見だけを聞いていることが問題だ」とカルロス・サインツJr.は述べた。「彼らはテレビで見て楽しんでいるかもしれないから、レースは問題ないと思うだろう」「でもドライバーの視点では、50km/hもの速度差がある状況はレースとは言えない」FIAは特にエネルギーマネジメントに関する可変要素の見直しを検討しているとされるが、ドライバーたちは今回の会合の結果について慎重な見方を崩していない。「本当に僕たちの意見に耳を傾けてほしい」とサインツは語った。「チームの声だけでなく、僕たちが伝えているフィードバックに焦点を当ててほしい」「マイアミまでに状況を改善するプランを示してほしいし、このレギュレーションを中期的に改善していく計画も必要だ」「すべてをマイアミで解決できなくてもいい。まず一歩前進して、シーズン中や来年に向けて大きな改善を進めていくべきだ」次戦マイアミGPは5月1日から3日にかけて開催される予定となっている。
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