フェラーリに加入して初めてのシーズンを戦うルイス・ハミルトンは、自身と跳ね馬ブランドの結びつきが「想像していた以上にパワフルなものになっている」と語った。メルセデスで12年間にわたる黄金期を築いた7度のF1ワールドチャンピオンは、まだ競技面での成果こそ得られていないものの、フェラーリと自身のブランドが生み出す相乗効果に驚きを隠さない。
「僕はブランド同士が手を組めば大きな力になると分かっていた」とハミルトンは語る。「でも実際に体験してみると、“想像していた以上にパワフルだ”と感じるんだ。美しいことだけど、その分だけ責任も重い。みんながすぐに勝つことを期待しているけど、“ローマは一日にして成らず”だよ。どれくらいかかったんだっけ?あとで調べてみないとね」チーム移籍の現実「中に入らないと分からないことがある」ハミルトンは、外からは見えにくいチーム移籍の現実についても言及した。「F1チームの中でどう物事が動いているかなんて、外からは想像できない。僕も長くF1にいるけど、新しいチームに来るとまったく違う世界なんだ。だから、人々が分からないことを責める気にはならない」と説明した。「僕にできるのは、自分がコントロールできることに集中するだけ。どう準備するか、チームとどう連携するか、毎日どういう気持ちで臨むか。ポジティブにい続けることが大切なんだ」“赤い情熱”を受け入れて──文化の違いを超えてマラネロの文化に溶け込む過程で、ハミルトンはフェラーリというブランドが持つ情熱と多様性の融合に心を打たれている。「ここは本当に特別だよ。赤は僕の好きな色のひとつだし、フェラーリは歴史、エンブレム、そしてそれが象徴するものなんだ」と彼は微笑む。「クルマはまるで芸術作品。言葉、文化、食事──すべてに情熱が宿っている。イタリアの人たちは何に対しても情熱的で、それがフェラーリの核なんだ」「ここで働く前は文化の違いが不安だったけど、実際はみんなすごくオープンマインドだった。最終的に大事なのは“人と人とのつながり”なんだ。橋をかければ、他の違いなんてすぐに消えていく」ブランドの融合が生む新時代マラネロの伝統とハミルトンの革新的な精神が交わることで、F1界でも類を見ない物語が紡がれつつある。競技としての成果はこれからだが、その“ブランドとしてのシナジー”はすでに他を圧倒している。世界が注目するこのコラボレーションは、フェラーリとハミルトン双方の次なるステージを切り開く象徴的な一歩となりそうだ。
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