ハースF1チーム代表の小松礼雄は、メキシコGPでチーム史上最高位タイの4位を獲得したオリバー・ベアマンについて「彼の大きな才能は最初から見えていました」と語った。ベアマンはオートドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットで自身最高位となる4位を記録。これは2018年オーストリアGPでロマン・グロージャンが達成したチーム最高位と並ぶ結果となった。
ルーキーイヤーのベアマンは、マックス・フェルスタッペンとホイール・トゥ・ホイールの戦いを繰り広げ、終盤にはタイトルを争うオスカー・ピアストリを抑える見事な走りを見せた。「シンガポール以降、週末をまとめられるようになってきました」小松礼雄は若きイギリス人ドライバーの成長を称賛した。「彼の大きな才能は最初から見えていました。シンガポール以降、毎回の週末で学びながら確実に改善していて、週末全体をまとめられるようになってきました。オースティンではスプリントで少し課題もありましたが、それ以外は本当に素晴らしかったです。メキシコでは何もミスをしていませんし、驚くほどの出来でした」と語った。「ピットストップの後にはラッセル選手やピアストリ選手──つまりメルセデスやマクラーレンと戦っていました。あのような強豪ドライバーたちと走れるなんて、本当に光栄ですし、彼を抑え切るなんて見事な仕事でした」と小松礼雄は付け加えた。ハースはコンストラクターズ8位に浮上ベアマンは直近3戦連続でポイントを獲得しており、今回の結果でドライバーズ選手権13位に浮上。チームメイトのエステバン・オコンを上回った。オコンもメキシコGPを9位で完走し、両者のポイントによりハースF1チームはコンストラクターズ選手権で8位に浮上。キック・ザウバーを抜き、レーシングブルズ(6位)との差を10ポイントにまで縮めた。小松礼雄は次のように語った。「今シーズンは常に戦えていましたが、大きな結果を得ることがなかなかできませんでした。今回はまさにチーム全体の努力の結晶です。オリーは素晴らしい走りを見せ、正確な情報を伝えてくれました。戦略チームも完璧でしたし、レースエンジニアもパフォーマンスエンジニアも全員が的確な情報を共有しました。その結果、ついに大きな成果をつかめました。両ドライバーが揃ってポイントを取れたことは本当に最高です」と笑顔を見せた。分析:ハースの再浮上とベアマンの確かな成長今回のメキシコGPでのダブル入賞は、ハースF1チームにとって2025年シーズンの転換点といえる。ベアマンは序盤から果敢に攻めつつも冷静さを保ち、トップチーム勢と互角のペースを見せた。小松礼雄が強調した「チーム全体の連携」は、今季中盤以降の戦略的な成熟を示しており、戦略判断・タイヤマネジメントの精度が明らかに向上している。また、ベアマンの一貫性とメンタル面の強さが際立っており、ルーキーながらドライバーズ中位グループをリードする存在へと進化している。ハースにとっては来季への明確な希望の光となった一戦だった。