ハースは、F1シンガポールGPで2016年最後のアップグレードパッケージを投入し、トロ・ロッソとの7位争いに勝負を賭ける。デビューシーズンとなった今年、力強いスタートを切ったハースだったが、パフォーマンスは次第に低下し、過去10戦でのポイント獲得はF1オーストリアGPでのロマン・グロージャンの7位のみとなっている。
ベルギーとイタリアでは速さを取り戻したようにみえており、チーム代表のギュンター・シュタイナーは、エステバン・グティエレスがQ3進出を果たしたモンツァではポイント獲得の機会を逃してしまったと悔やんだ。過去2戦のペースは進歩の表れかと質問されたギュンター・シュタイナーは「トラックにも関係していると思う。モンツァとスパはなかなか良かったが、スパの方が良かった。ホッケンハイムでも我々はすでに少し進歩していた。今後数戦でもこの傾向が続くかどうかは要観察だ」とコメント。「シンガポールでは小さなアップグレードパッケージが用意されており、残りのシーズンはもちろんそれを使い続けることになる。シンガポールではそれを評価する。しかし、シンガポールはもともとギャンブル的な要素がある場所なので、まずはそれが正しく機能することを確認し、その後のレースに備えたいと思う。傾向がこのまま続いてくれることを願っている」モンツァでハースが使用したアップグレード版のフェラーリ製パワーユニットについては「間違いなく前進だった」とコメント。「我々には直接的な比較対象がいないので、どれほどかを表現することは難しい。だが、前進ではあった。あれがなければQ3に進むことはできなかっただろう」 ランキングではハースの17ポイント前にいるトロ・ロッソが搭載しているのは、シーズン中に一度もアップグレードされていない2015年のフェラーリ製パワーユニットだ。トロ・ロッソは、シーズンが進むにつれて後退を強いられており、ギュンター・シュタイナーは、ハースが彼らに追い付けない理由はないと主張する。 「トロ・ロッソに追い付けるよう努力する。人には目標が必要だ。ただ“学習する”といって、何も目標を設定しないのでは少々甘すぎる。我々の目標はトロ・ロッソに追い付き、捕えることだ」 「それができれば素晴らしいが、実現するのは大変だ。トップ5チームに何もトラブルがなければ、トップ10入りするのは難しいからね。その上、たとえ10位でフィニッシュしても、1ポイントにしかならない。今の我々は17ポイントのビハインドだ。だが、最善は尽くす」関連:ハース、F1シンガポールGPで今季最後のアップグレードを投入