元F1ドライバーのロマン・グロージャンは、2021年のF1フランスGPでメルセデスのF1マシン『W10』でデモ走行を行うことが発表された。昨年、ハースF1のシート喪失が決まっていたロマン・グロージャンは、F1バーレーンGPでマシンが炎上する大クラッシュから奇跡的な生還を果たしたが、手に火傷を負ったことで、最後の2レースへの出場を断念。クラッシュまでの数メートルがF1マシンでの走行となっていた。
当然ながら、2009年にF1デビューを果たしたロマン・グロージャンは、そのような形でF1キャリアを終えることを望んでいなかったが、すぐにF1マシンでの“お別れ走行”の話が持ち上がった。その実現に興味を示したチームの1つはメルセデスであり、ロマン・グロージャンはそれについて話し合うためにトト・ヴォルフと電話をしていることを確認。今年に入って、どのチームかは明かさないものの、F1マシンでシート合わせを実施したことが報告されていた。メルセデスF1は、ロマン・グロージャンに同チームのF1マシンでデモ走行の機会を与えることを発表。グロージャンの母国であるF1フランスGPがその舞台となり、ポール・リカールでルイスハミルトンの世界チャンピオンシップを獲得したメルセデス W10を走らせる。ロマン・グロージャンは、「F1カーに戻って、飛び乗ることにとても興奮している! 僕にとって特別な機会であり、世界選手権で優勝したメルセデスを運転することはユニークな経験になるだろう」とコメント。「この機会を与えてくれたメルセデスF1とトトにとても感謝している。メルセデスを運転するチャンスについて最初に聞いたのはバーレーンの病院のベッドだった。トトがメディアに話しかけて招待してくれた。そのニュースを読んで大いに元気づけられた!」「F1は、2020年にCOVIDのためにフランスでレースをする機会を得られなかったので、2021年のフランスGPでメルセデスを運転し、その後、僕のホームトラックであるポール・リカールでテストを完了することはとても特別なことだ。その日が来るのが待ちきれない」メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは「この特別な機会を利用して、ロマンをサポートできることを大変うれしく思う」とコメント「このアイデアは、ロマンがF1でのアクティブなキャリアを終えようとしていたときに最初に思いついたものであり、彼の事故がF1カーでの最後の瞬間になることを望んでいなかった」「彼がチャンピオンシップで優勝したF3時代から、私はロマンのことを知っている。彼は長く成功したF1キャリアを楽しんでおり、我々は、彼の最後の思い出がチャンピオンシップを勝ち取ったマシンのステアリングになることを実現したかった。W10に関するロマンのフィードバックがどのようなものになるか楽しみにしている」「ロマンの事故は、コックピットに乗り込むたびに、これらの人が直面する危険性を思い出させるが、このスポーツが長年にわたって安全性を向上させるために講じてきた驚くべきステップの証でもある。私はF1コミュニティがロマシンがコースに戻るのを見ることを祝ってくることは知っている」 ルイス・ハミルトンは「昨年のアクシデントの後、ロマンがF1カーに戻るのを見れることを本当にうれしく思う」とコメント。「それが起こったとき、僕たち全員が彼のために祈っていた。そして、彼がそこから脱出して、とてもよく回復するのを見るのは大きな安堵だった。彼がフランスで再び会い、週末にチームに迎えられるのを楽しみにしている。彼の方が僕のW10の面倒を見てくれるだろうけどね!」 この投稿をInstagramで見る Mercedes-AMG PETRONAS F1 Team(@mercedesamgf1)がシェアした投稿