伊沢拓也が、GP2シリーズ第3戦モナコのレース週末を振り返った。5月22日〜24日、GP2第3戦の舞台はモナコ。F1グランプリと同じ市街地のコースでレースは行われた。「モナコのコースは初めてで、市街地コースということもあり、いつもより入念にシミュレーターで準備しました」と伊沢拓也は振り返る。
「走る前は緊張しましたが、実際に走ってみると思ったよりすんなりできました。より狭いマカオでのレース経験があったからかもしれません」22日の予選は、ゼッケンの奇数偶数でグループ分けされて行われ、伊沢拓也はAグループでコースイン。グループ順位13番手、全体では25番手となった。「予選については、昨年のデータなどから『最後の最後にベストラップが出る』という認識だったのですが、コンディションが変わってしまったのか、タイムを上げる前にタイヤがダメになってしまいました。こういうコースではスタートのポジションがとても重要ですので、残念な結果でした」23日に行われたレース1は、市街地レースらしい波乱の展開となった。序盤からクラッシュが相次ぎ、スタート直後にセーフティカー導入。12周終了時点ではクラッシュしたマシンがコースをふさぎ、レースは赤旗中断となる。再スタートが切られた時点で23番手の伊沢拓也は、中断前にタイヤ交換を済ませていたこともあり、その後徐々にポジションを上げた。25周終了時に再びセーフティカーが入った段階では15番手まで上昇。しかし、終盤に差しかかった32周目、ミラボーコーナーで他車と接触した伊沢拓也はクラッシュし、リタイアを喫した。「レース1では、ペースもよく走れていて、早めにタイヤ交換したこともうまくいき、順位を上げることができました。しかし、ミラボーコーナーで後続車が強引にインに入ってきて、逃げ場がなくなりクラッシュしてしまいました。あのまま走れていればもう少し順位を上げられただけに、悔しい結果でした」24日に行われたレース2では、伊沢拓也は好スタートをみせ、1周目に15番手にポジションを上げる。その後、前車の脱落で14番手となった伊沢拓也だったが、11周を終えた時点でピットイン。ブレーキのトラブルにより、リタイアせざるを得なかった。「レース2は、スタートがうまくいき、その後のコーナーでも混乱をうまく抜けて順位を上げることができました。しかし、レースが始まって早々にブレーキペダルが奥に入ってしまうようになりました。前との間隔をあけて冷やしたり、いろいろやってみたのですが、状況は悪化したのでピットに戻りました。やはりメカニカルトラブルで直らないということが分かりましたので、リタイアせざるを得ませんでした」「伝統のあるモナコでのレースは、やはり特別な雰囲気のレースでした。それを体験できたことはよかったですし、この先必ず生きてくると思います。ただ、今回はスピードが足りなくて、予選から厳しい戦いになってしまいました。これで3戦が終わり、次のレースまで少し時間があるので、これまでのことや課題を見直して臨みたいと思います」