13,000人を超えるF1ファンが2019年のF1世界選手権のお気に入りのレースに投票。波乱のレースとなったF1ドイツGPがベストレースに選出された。日曜日のホッケンハイムは朝から雨が降り、決勝レースは今季初ウエットレースとなった。2019年のウエットタイヤでのレースは初めてとなり、天候とタイヤが大波乱を呼ぶことになる。
セーフティカー先導での3周のフォーメーションラップを終えて、スタンディングスタートで決勝はスタート。レースは5台のリタイア、4回のセーフティカー、2回のバーチャルセーフティカーが導入される荒れた展開。さらに雨が断続的に振ったことで路面コンディションが変化。ピレリの新しいフルウエットタイヤは機能せず、インターミディエイトタイヤとドライタイヤの交換の判断が極めて難しい状況となった。そのような状況のなか、レッドブル・ホンダは的確にタイヤを選択。マックス・フェルスタッペンは一時ミディアムを履いて360度スピンを喫するミスはあったものの、バーチャルセーフティカーに救われ、また、シャルル・ルクレールのリタイア、ルイス・ハミルトンがコースオフしてフロントウイングを破損させて緊急ピットインでタイムを失うといった出来事も重なり、30周目にトップに浮上。そこからのマックス・フェルスタッペンは数回のセーフティカーによるギャップのリセットを物ともせず、後続とのギャップを広げて最終的に2位に7秒差をつけてトップでチェッカー。今季2勝目、通算7勝目を挙げた。ホンダがシーズン2勝を挙げたのは27年ぶりとなる。2位はフェラーリのセバスチャン・ベッテル。予選に出走できず最後尾からスタートしたベッテルだったが、序盤に順調に順位を上げると上位入賞者と同様にタイヤ戦略を的確に成功させて上位に浮上。レース終盤にドライタイヤでオーバーテイクを重ねて2位でチェッカーを受けた。3位は14番手からスタートしたダニール・クビアト。終盤のセーフティカー導入時にドライタイヤに交換する戦略が奏功。トロロッソにとっては、2006年の優勝以来となる表彰台を獲得した。2番目のベストレースに選ばれたのはF1ブラジルGP。レースは波乱の展開。残り2周の段階でマックス・フェルスタッペンがトップ、アレクサンダー・アルボンが2番手でレースを進めていたが、3番手のルイス・ハミルトンとアルボンが接触してアルボンがスピン。その隙にピエール・ガスリーが2番手に浮上した。ハミルトンとアルボンの接触は審議対象となり、ハミルトンには5秒ペナルティを科せられて7位に降格した。優勝はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンはスタートで首位をキープ。タイヤ交換のタイミングで一時2位に順位を落とした以外はレースをコントロール。ポール・トゥ・ウィンで今季3勝目、通算8勝目を挙げた。2位表彰台はトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー。6番グリッドからスタートしたガスリーは残り2周で2番手にポジションを上げてチェッカー。F1で初表彰台を獲得。ホンダのF1エンジンにとっては復帰後初の1-2フィニッシュ。アイルトン・セナが優勝した1991年の鈴鹿以来の快挙。ダブル表彰台は今季2回目となる。3番目のベストレースは、F1オーストラリアGPとF1イタリアGPが同点で並んだ。F1オーストリアGPではマックス・フェルスタッペンが3位でフィニッシュしてホンダが11年ぶりの表彰台を獲得。F1イタリアGPではフェラーリの聖地モンツァで優勝。フェラーリのドライバーのモンツァでの勝利は2010年のフェルナンド・アロンソ以来9年ぶり。表彰台の下には大勢のティフォシがなだれ込み発煙筒がたかれる独特の雰囲気となった。