ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、2025年F1ハンガリーGP決勝で3位表彰台を獲得。ここ数戦苦戦が続いていた中で、メルセデスにとって大きな一歩となるレースとなった。「本当に満足している。とにかく、昨日の予選も含めて、週末すべてが驚きの連続だった」と語るラッセル。久々の好結果に、笑顔を見せながらも冷静に分析を続けた。
「今回の表彰台は、特別な意味を持っていると思う。ここ6戦ほどは非常に厳しいレースが続いていた。だからこそ、夏休みに入る前にこうした形で終われるのは、チーム全体にとって大きな励みになる」メルセデスはこの週末、マシンに関して通常とは異なる方向性のセットアップを採用。その効果が確かな手応えとなって現れたとラッセルは明かす。「今季序盤に導入した新しいリアサスペンションが、我々が期待したほど機能していなかった。だから今回は、いくつかの要素を元に戻す方向に切り替えた。結果として、それがポジティブな効果をもたらしたと思う。ただ、週末全体の展開が通常と違ったのも事実だし、マクラーレンがとんでもない仕上がりを見せたように、P3以降はかなり混戦だった」また、レース中に起きたルクレールとの激しいバトルについても、率直な意見を述べた。「ストレートで330km/h以上のスピードで迫っている時に、相手がブレーキング中にラインを変えるのは危険なんだ」と語ったラッセルは、ルクレールの動きに不満を隠さなかった。「僕は明確に“イン側に飛び込む”という意志を見せていたし、そのままブレーキングに入っていた。でも彼はブレーキを始めた後に動いた。それはルール上でも明確に禁止されていること。1回目にやられた時点では不満だったけど、2回目も同じようにやられたから、その時は『もう構わない、突っ込む』と決めた。そして軽く接触したけど、なんとか抜けた。TVで見ていると“なぜ避けないんだ”と思われるかもしれないけど、実際はもうクルマの限界で動かせないんだよ」セットアップを見直しメルセデスに久々の表彰台をもたらしたポディウムに上がったラッセルは、ファンの声援に笑顔で応じながらも、今後への展望には慎重な姿勢を崩さなかった。「今日の結果は良かったけど、決して浮かれてはいけない。ペースという点では、カナダを除けば今季で最も良いレースだったと思う。でも、今回のような“特殊なコンディション”が味方した部分もあると思ってる。マックスが本来のポジションにいなかったし、アストンマーティンもかなり強かった。僕たちにとっては全体のバランスを再確認する機会としては非常に有意義だったけど、“これでもうOK”というレベルには達していない」「それでも、今の方向性は間違っていないと確認できたのは収穫だ。サマーブレイクの間にさらなるアップグレードに向けた準備ができるし、後半戦ではより安定した戦いができるようにしていきたい」メルセデスにとっては2025年シーズンで数少ない表彰台の一つとなったが、ラッセルは「表彰台がゴールじゃない」と強調する。「もちろん嬉しい。でも、メルセデスのドライバーとして表彰台に立つことは“喜び”というより“責任の一部”なんだ。僕たちは常に優勝を目指しているし、それが本来の目標。今日はそこに近づいたけど、まだ満足していない。これからもっと強くなっていくつもりだ」
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