アルピーヌF1チームのフランコ・コラピントは、F1アメリカGP決勝でチームオーダーを無視した自身の行為について「間違いだった」と認め、態度を一転させた。22歳のアルゼンチン人ドライバーは、オースティンでの決勝終盤、チームメイトのピエール・ガスリーの後方を走行していたが、ピットウォールからの「ポジションを維持せよ」という指示を無視し、独断でオーバーテイクを敢行した。
その結果、コラピントは17位でフィニッシュした一方、ガスリーはガブリエル・ボルトレト(ザウバー)に抜かれて19位と最下位に沈んだ。コラピントはその後、メキシコシティGPのプレビューで次のように反省を述べた。「日曜日のチーム状況については内部で話し合った。どんな状況であっても、チームの指示は常に守らなければならないことが明確になった」「僕たちはみんな一丸となって、各セッション、各週末を通じて成長し続けるために努力している」と語り、チームの方針に従う姿勢を強調した。これはレース直後の発言とは対照的だ。オースティンでは、ガスリーを抜いた行為を正当化するようなコメントをしていた。「最後のスティントではピエールより明らかに速かったし、後ろからボルトレトが猛烈に攻めてきていた。彼は僕たちよりずっと速かった」「ピエールのペースが遅すぎて、どうしようもなかった。前に出たほうが状況としてはベストだったと思う。そうしなければ、2台とも抜かれていたはずだ」「これまでも他のサーキットでは自由にレースをしてきた。ここでは僕が攻撃される立場だったから、僕が前に出るのが最善だったと思う。データをすべて持ち帰って、各瞬間を分析する必要がある」と述べていた。アルピーヌは「失望」とコメント、内部処分の可能性もアルピーヌのマネージングディレクターであるスティーブ・ニールセンは、レース後に声明を発表し、チームオーダー無視に不快感を示した。「ピエール側ではアンダーカットをカバーするため、予定より早めにソフトタイヤへ交換したが、ピットストップが遅れた。これは精査して修正する」「フランコはミディアムでスティントを伸ばし、終盤にはタイヤ差でピエールに追いついた。しかし両車とも燃料を管理しており、リーダー勢が近くにいたため、残り周回数も考慮して“ポジション維持”の指示を出した」「チームとして、ピットウォールの指示は最終決定であり、今回はそれが守られなかったことに失望している。今後は内部で対処する」と説明した。今回の一件は、F1ルーキーであるコラピントにとって、チーム内での信頼関係を築くうえで重要な教訓となりそうだ。