日産自動車は10月16日、スペイン・バレンシアのサーキット・リカルド・トルモで開催されているABB FIAフォーミュラE選手権の公式プレシーズンテストに参加し、元シリーズチャンピオンのセバスチャン・ブエミのドライブにより2台のマシンをシェイクダウンした。午前のセッションで9番手のタイムを記録したセバスチャン・ブエミは、午後のセッションでタイムを更新し、1分18秒100のタイムで初日8番手となった。
フォーミュラEの勝利数、ポールポジション回数、そして最速レースラップ記録を保持するセバスチャン・ブエミは、日産e.damsが投入する新世代フォーミュラE“Gen2”マシンの2台をドライブし、日産e.damsとして公式デビューを果たした。また今回のテストでは、新しいバッテリー、パワートレイン、インバーター、タイヤ、ギヤボックス、空力特性を手にした新しいフォーミュラEカーが、前世代のマシンよりもはるかに速いことが証明された。この日のブエミの最速タイムは、昨シーズンのバレンシアでのプレシーズンテストで記録された最速タイムより3.722秒も速いものだった。日本の自動車メーカーとして初めてフォーミュラE選手権へ参戦する日産は、電気自動車「日産リーフ」を2010年の発売以降、世界で36万5,000台以上を販売しています。今回テストした新型のフォーミュラEマシンには特注の電気モーター、インバーター、ギヤボックスを搭載した新開発パワートレインを採用している。セバスチャン・ブエミ「今回のテストは、コンペティターと比較して私たちのチームが今どのくらいのポジションにいるかを見極める最初の機会でした。ポジティブな1日で、多くのテスト項目をこなしたことで分析すべき多くのデータを入手できました。パフォーマンスが今後さらに良くなっていくことも明確になり、大変満足しています。もちろん、8番手は大喜びする順位ではありませんが、重要なことは私たちにはまだ改善の余地があるということです。私たちはトップチームと十分戦えると感じています。ライバルたちがどのくらいのパワーでどのようなレースシミュレーションを行っていたか分からないので、正確な戦力差を知ることは難しいのですが、今日の最速タイムは私たちも最大パワーを使用すれば達成可能な範囲であり、今日の私たちの結果は悪くないと思います」マイケル・カルカモ (日産グローバル・モータースポーツ・ディレクター)「フォーミュラEに参戦するためにここまで長い間、準備を進めてきました。本日、ついに日産のマシンをトラックでお披露目できたことは、日産のチーム全員にとって最高にワクワクする瞬間でした。この選手権のコンペティションレベルが非常に高いことは分かっていますし、最初の1週間は他のチームとの位置関係に関して現実的な予測を立てる必要があるでしょう。しかし、ライバルたちが最後のアタックを開始する前、セッションが残り15分という時点で、セバスチャン・ブエミが4番手のポジションに位置していたことにはとても勇気付けられました。明日もトラックで、開発をさらに進めるための貴重な走行テストを行うことを楽しみにしています」