フォーミュラEは、SNSと連動してプッシュ・トゥ・パス、リアルタイムとした連動レースゲームなど、画期的な取り組みを予定している。フォーミュラEとは、F1と同じく国際自動車連盟(FIA)が管轄するこれまでになかった電気自動車によるフォーミュラカーレース。電気自動車のため、動力源はエンジンではなくモーターと高性能のバッテリー。それゆえ、テールパイプも無く、モータースポーツでありながら走行中の排出ガスはゼロとなる。
フォーミュラEは、エンジンのような爆音も排ガスも出ないため、モーターカーレース史上初めて全レース市街地での公道レースが実現する。観客にとって交通の利便性が飛躍的に向上するだけでなく、大都市のランドマークを背景にフォーミュラカーが疾走するというかつてない光景と興奮を味わえる。フォーミュラEカーは、徐々に回転数があがるエンジンとは違い、いきなり最高出力が可能なモーターで走る。その0-100kmの加速はわずか2.9秒。市街地が前提のため、ストレートの長さを抑制し、トップスピードは225km/h程度に抑えられる設定だが、公道レースはサーキットと比べ市街地をバックに走るため、F1をはるかに上回るスピード感を期待できる。また、フォーミュラEでは、世界初となるSNSと連動したプッシュ・トゥ・パスの搭載を予定している。その名の通り、押すと追い越せるという加速ボタンはF1やインディでも採用されているが、フォーミュラEではSNSと連携し、多くの応援を集めたドライバーにだけ、追加でプッシュ・トゥ・パスが与えられるというファン連動システムをモータースポーツで初搭載予定。ファンの声援がリアルに<後押し>になるというまさに次世代の取り組みとなる。さらに、世界初となるリアルタイム連動ゲームの開発も予定。プロレーサーとともに、視聴者が21番目のドライバーとして、実際のレースにバーチャルで「参戦」できるという画期的なリアルタイム連動レースゲームの開発も予定されている。フォーミュラEの開発ドライバーに就任した佐藤琢磨は「次世代マルチメディアを使った参加型レースも面白いと思います。そこで新しいファンを獲得して、その形式がほかのレースにも波及するのではと期待しています」と語った。フォーミュラEの初年度となる2014-2015シーズンは、9月に北京(中国)で開催。プトラジャヤ(マレーシア)、香港、プンタ・デル・エステ(ウルグアイ)、ブエノスアイレス(アルゼンチン)、ロサンゼルス(アメリカ)、マイアミ(アメリカ)、モンテカルロ(モナコ)、ベルリン(ドイツ)、ロンドン(イギリス)と世界中の様々な都市の中心部で10戦のカレンダーが組まれている。