フォース・インディアは、FIA(国際自動車連盟)に関連する法的問題を適切に対処されたことを納得させることができれば、今シーズン中にも新しいチーム名でF1を戦うことができる可能性がある。新しいエントリーの状況がスパまでに解決されない場合、FIAはチームがフォース・インディアのままでF1ベルギーGPに参戦することを許可すると考えられている。
破産管財人の管理下に入っていたフォース・インディアは、ローレンス・ストロールが率いるコンソーシアムによって救済することが発表された。しかし、前オーナーのビジェイ・マリヤとサハラ・グループを取り巻く法的問題によって、2週間の期限内に正式な手続きを完了できないという予期せぬ事態が発生した。契約が成立するには13のインドの銀行の同意が必要であり、またビジェイ・マリヤに貸与された飲料会社ディアジオからの担保もあると考えらえている。また、フォース・インディアの買収に入札していたロシアの化学品メーカーであるウラルカリ(Urakali)は、入札手順が不適切だったと批判している。「管財人が設定した期限が切れていたにも関わらず、承認のための救済契約は裁判所に提出されていなかった。ウラルカリの見解では、救済の選択肢は管財人に提案された期限や条件のもとでは達成できなかったことを確認している」先週、ローレンス・ストロールは、戦略を変更し、チームに運営に必要なマシン、シルバーストンのファクトリー、設備などを購入している。理論的にエントリーは依然として管財人の管理下のままフォース・インディアに属していることになり、物理的な資産はなにもない状況となっている。通常、エントリーはチーム売却の重要な要素とみなされている。新しいオーナーが、数十億円の賞金を含めたフォース・インディアの全ての権利を取得するには全チームの合意が必要になるが、ルノー、マクラーレン、ウィリアムズの3チームがそれを拒否したとされている。だが、上記の状況により、チームは本来科せられていたであろうペナルティを受けずに新たなスタートを切ることになる。FIAのスポーティングレギュレーションでは、チームは11月30日までに次のシーズンのエントリーを取得する必要があるが、期限を変更する余地は残されている。“選手権で競技するための申請は、添付の付則2に用意されたエントリーフォームに、付則7に従い算出されたエントリーフィーを、申請する年度の前年の11月30日までに支払うという確約を添えて、申請する年度の前年の10月21日から11月1日の間にFIAへ提出することができる。その他の期間の申請は、参加余地があり、FIAによって決められた遅延エントリーフィーを支払う場合にのみ考慮される。エントリーフォームはFIAより入手可能で、FIAは申請書受領後30日以内に申請者にエントリーの可否を通知する。審査を通過した者は自動的に選手権のすべての競技会にエントリーされることとなり、当該申請者のみが競技会に参加することとなる”したがって、新オーナーがチームを置き換えるための余地はまだ残されており、レギュレーションではローレンス・ストロールにとってはマイナーな遅延エントリーフィーを支払えばいいことになる。既存チームからの新しいエントリーを作成するプロセスは複雑なものとなっており、FIAのレギュレーションだけでなく、コンコルド協定も考慮されなければならない。もうひとつの法的な問題は、フォース・インディアのF1エントリーはASNを介して提出されたことにある。すでにチームはロゴからサハラ・グループのロゴを外しており、スパ・フランコルシャンに到着したチームのモーターホームや機材からはフォース・インディアのロゴは外されており、ビジャイ・マリヤに関連するキングフィッシャーやUBグループのスポンサーロゴは消されている。