タイ政府がバンコクでのF1開催に向けて大きく前進した。タイ体育庁(SAT)は、新たにF1レースを開催するための初期サーキット計画を公表。タイは2028年のカレンダー入りを目指しており、先に提示された12億ドル規模の開催計画とともに具体化が進んでいる。同国にはすでにブリーラムにFIAグレード1のサーキットが存在しMotoGPも開催されているが、政府は“首都開催”を重視し、近年増加する市街地型F1レースに加わる形でバンコクに新サーキットを建設する方針だと説明している。
公開されたレイアウトは5.7km/18コーナーの時計回り今回初めて明かされた案では、全長5.7km、18コーナーを持つ時計回りレイアウトが提示された。これが実現すれば、現在のF1開催地の中で8番目に長いコースとなり、モンツァとサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)の間に位置づけられる。タイ出身ドライバーとしてF1に参戦するアレクサンダー・アルボンも今年初めに政府を訪問し、計画を「本当に有望だ」と評価していた。2028~2032年の5年契約案、開催時期は3月または9月に想定SATによると、初期契約期間は2028年から2032年までの5年間を予定。開催時期は3月または9月が想定されているが、F1の移動効率を考慮すると、オーストラリア、中国、日本と連なるシリーズに組み込める“開幕期の3月開催”が合理的と見られている。建設は段階的に行われ、期間は1~2年を要する見込みだという。バンコクF1構想は実現なるかF1はアジア地域での拡大戦略を進めており、タイは長らく誘致活動を続けてきた。今回、具体的なコース案が公表されたことで計画は大きな一歩を踏み出したと言える。今後はF1との正式契約、都市部レイアウトに伴う交通整備や住民調整、建設スケジュールの確定など複数の課題が残るものの、2028年のバンコク初開催に向けて現実味が増しつつある。