フェラーリは2026年F1第8戦オーストリアGPで、ADUO(性能均衡措置)に基づくパワーユニット(PU)のアップグレード第1弾を投入した。しかし、この新仕様はカスタマーチームであるハースとキャデラックにはまだ導入されておらず、両チームは当面従来仕様を継続する方針だ。FIAの規則では、メーカーは新仕様のPUをカスタマーチームにも提供する義務があるが、フェラーリはすでにこの条件を満たしている。一方で、実際のレース投入については各チームの判断に委ねられている。
小松礼雄代表「導入時期はまだ決めていない」ハース代表の小松礼雄は、新仕様PUをオーストリアGPで使用しない理由について質問されると、当初は「それはフェラーリに聞いてほしい」と笑顔でかわした。その後、改めて理由を問われると、次のように説明した。「今回はアップグレード版を使用しません」「いつ導入するかはまだ決めていません。この新しい仕様を使うことは義務ではありません」また、小松礼雄はフェラーリがレギュレーション上の義務を果たしていることも強調した。「我々のパートナーは規則を順守しています」背景にあるのはスペアパーツ不足ドイツメディア『Auto Motor und Sport』によると、新仕様PU自体はハースとキャデラックにも供給されている。しかし、フェラーリのADUOアップグレードは、モナコGP後にFIAから正式承認を受けて以降、開発と生産が急ピッチで進められたことから、交換用スペアパーツの在庫が十分に確保できていない状況だという。フェラーリは新仕様PUについて、レース投入可能な状態であり、レギュレーションにも完全に適合していると説明している。それでもハースとキャデラックは、十分な交換部品がないまま信頼性トラブルやクラッシュによる損傷リスクを負うことを避ける判断を下した。そのため、カスタマーチームへの本格導入は、生産体制が整うベルギーGP以降になる可能性があるとみられている。空力アップデートも投入フェラーリはオーストリアGPでPUだけでなく空力面の改良も投入した。新しいフロントウイングのエンドプレートに加え、排気口周辺やサイドガイドベーンにも変更を加えている。一方で、一部メディアは、フェラーリが金曜日にマシン後方の写真を公開しなかったことにも注目。今季話題となり他チームも模倣している「エキゾーストウイング」について、FIAが禁止を検討しているとの報道もあり、その関連性が憶測を呼んでいる。依然としてメルセデスが優勢との見方フェラーリは前戦バルセロナ・カタルーニャGPでルイス・ハミルトンが移籍後初優勝を飾り、タイトル争いへの期待を高めた。しかし、オーストリアGP初日の走行では依然としてメルセデスが優位との見方もある。フェラーリのブランドアンバサダーを務めるマルク・ジェネは、次のように分析した。「ターン1では、アントネッリのマシンがフェラーリよりどれだけよく曲がるかが肉眼でもはっきり分かる」「それに、キミはここではラッセルよりも明らかに速い」フェラーリはADUOによるPUアップグレードと空力改良を同時投入して戦闘力向上を図っているが、現時点ではカスタマーチームへの展開は見送られており、部品供給体制が整うベルギーGP以降に導入が進む見通しとなっている。
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